研究実績の概要 |
C57BL6Jマウス(野生型)に対してDMM modelを作成しEPAを投与しOAの進行を予防できるか検討した。平成29年度までに以下の実験を行った。Sham手術、DMM手術、DMM作成時にEPAを関節内に1回投与する群、ゼラチンハイドロゲル単独群、ゼラチンハイドロゲルにEPAを浸潤させ手術時に投与する群にわけ術後1,8週でsacrificeし膝関節の組織を検討した。検討項目としてOA変化をサフラニンO 染色、滑膜炎の評価として滑膜組織をH-E染色、軟骨基質分解マーカーとしてMMP-3, MMP-13の免疫組織染色, 炎症機序としてF4/80, IL-1 betaの免疫組織染色を検討したところ、コントロールゼラチンハイドロゲル群に比較してEPA含有ゼラチンハイドロゲル群では8週でOA変化の抑制、具体的には8週時点においてEPA群では有意にOARSI scoreの低減。炎症性マーカーの抑制、軟骨基質分解抑制を認めた。ゲル群と単回注射投与群を比較するとゲル群において8週で有意に上記抑制された。1週においても滑膜の炎症性変化の抑制 (Synovitis score)、さらに炎症性のマーカーはすべての項目においてコントロール群に比較してEPA投与群で抑制された。さらにマクロファージの分画に関して調査するとM1マクロファージは1週の組織では両群ともに発現を認めたが、8週時点ではEPA投与群でM2型の発現が増加していたがコントロール群ではM1型が発現していた。すなわちEPAは変形性関節症変化で起こる炎症反応の増強をマクロファージを介して抑制することにより関節症性変化を抑制することが考えられた。以上の内容をまとめ現在学術雑誌に投稿中である。
|