研究課題/領域番号 |
15K10475
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤田 洋史 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20423288)
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研究分担者 |
小渕 浩嗣 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (10304297)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 破骨細胞 |
研究実績の概要 |
破骨細胞による骨吸収とグルタチオンによるその促進作用について詳細に解析を進めた。グルタチオンは様々な分子によって利用されている。その中でもビタミンEと作用を同じくするPHGPxは、脂質過酸化を抑制することが報告されている。ビタミンEが破骨細胞形成を促進することが報告されていることから、グルタチオンとPHGPxによる脂質過酸化の抑制が関与することが予想された。そのため、グルタチオンに変わりビタミンEの一種であるαトコフェロールの作用をリポポリサッカリドによるマウス頭蓋冠の骨吸収モデルにおいて調べた結果、有意な促進作用は認められなかった。この結果より、グルタチオンによる骨吸収促進効果は、PHGPxにより仲介されないことを明らかにした。さらに、in vitroにおいて、グルタチオンカラムでトラップした血清における骨髄マクロファージのTNF-alpha+ RANKLによる破骨細胞分化において、破骨細胞の分化が抑制された。この結果は、血清中にグルタチオン結合性の破骨細胞分化に必要な分子が存在することを示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的であるグルタチオンと結合する細胞外タンパク質の同定に近づいているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後もグルタチオン結合分子のカラムクロマトグラフィーによる分離、TNFαによる破骨細胞分化の誘導、NFATc1の免疫蛍光染色とArrayScanによる破骨細胞分化シグナルの定量化、LC-MS/MSによる破骨細胞分化促進分子の同定、同定分子による破骨細胞分化促進作用の確認、Real time PCRによる分化マーカー遺伝子の定量、CRISPR/Casシステムによるゲノム編集を利用した同定分子KOマウスの作製、ノックアウトマウスを用いた同定分子の機能解析を順次行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定より培養関連試薬費用が節約できたため
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越した分は次年度の培養関連の試薬を候補分子の数を増やすことで使用する予定である。
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