• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

PLGAマイクロカプセルによる新規DDSを用いたスタチン剤の変形性関節症への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K10478
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

岡崎 賢  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10398092)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード変形性関節症 / スタチン / DDS
研究実績の概要

高コレステロール血症治療薬のスタチンには、変形性膝関節症における軟骨変性抑制効果があることが、過去の研究で知られている。しかし、先行研究において、組織学的な有効性を得るためには、週1回の関節内連続投与が必要であった。本研究では、その臨床な有用性の向上を目指して、スタチン製剤の除放効果を得るためにPLGAによるマイクロスフィアにスタチン製剤を封じ込め、変形性膝関節症動物モデルを用いた有効性検証を行った。
まず、臨床で使用されている各種スタチン製剤の中から、変形性関節症の軟骨細胞に対する薬理効果を比較検討した。変形性膝関節症患者から採取した軟骨組織より軟骨細胞を単離し、培養を行い、各種スタチン製剤を添加して、軟骨基質産生と異化蛋白発現抑制を検討した。その結果、フルバスタチンが最も効果が高いことが判明した。
次にフルバスタチンをPLGAマイクロスフィアに封入し、in vitroでの除放効果を確認した。PBS内で約2週間放出が持続することが確認できた。
ウサギのACL切離モデルを用いて、フルバスタチン封入PLGAマイクロスフィアを関節内に単回投与を行い、その5週間後に組織学的検討を行い、薬剤を封入していないPLGAマイクロスフィアを投与した群と比較した。フルバスタチン封入PLGAマイクロスフィアを注入した群は、有意に変形性関節症の組織学的スコア(OARSIスコア)が低く、軟骨変性が抑制されていた。除放効果があるDDSを用いてスタチンを単回投与することで、変形性関節症の進行抑制が認められたことから、臨床応用につながる結果をえることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Single intra-articular injection of fluvastatin-PLGA microspheres reduces cartilage degradation in rabbits with experimental osteoarthritis2017

    • 著者名/発表者名
      Goto Norio、Okazaki Ken、Akasaki Yukio、Ishihara Kohei、Murakami Koji、Koyano Kiyoshi、Ayukawa Yasunori、Yasunami Noriyuki、Masuzaki Tomohiro、Nakashima Yasuharu
    • 雑誌名

      Journal of Orthopaedic Research

      巻: 35 ページ: 2465~2475

    • DOI

      10.1002/jor.23562

    • 査読あり
  • [学会発表] フルバスタチン内包PLGA microsphere関節内単回投与は変形性関節症モデルにおける軟骨変性を軽減する2017

    • 著者名/発表者名
      後藤 徳雄, 岡崎 賢, 赤崎 幸穂, 石原 康平, 村上 剛史, 倉員 市郎, 居石 卓也, 中島 康晴
    • 学会等名
      第32回日本整形外科学会基礎学術集会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi