研究課題/領域番号 |
15K10479
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
山本 卓明 福岡大学, 医学部, 教授 (20336035)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 大腿骨頭 / 脆弱性骨折 / 予後 / MRI / 骨粗鬆症 |
研究実績の概要 |
大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(SIF)の予後規定因子について、若年発生例の観点および一過性大腿骨頭萎縮症との関連から検討を行った。 特に20歳代~30歳代の若年発生例については、圧潰が進行した症例については、外科的治療が必要となることが既に明らかになっている。その際、年齢が若年であるため、人工関節置換術は避けるべきであり、可能な限り関節温存術を行うことが望ましい。今回の検討で、通常は大腿骨頭壊死症の治療に行われている大腿骨頭前方回転骨切り術が、本骨折に対する外科的治療としても極めて有効な術式であることが、臨床的および骨シンチを用いた検討により明らかになった。本骨折は、大腿骨頭の前上方に好発することがあるため、特に若年者に対する関節温存術の有効性が実証された。 さらに、一過性大腿骨頭萎縮症においても、MRIにおいてSIFと同様の低信号のバンド像を認めることが既に報告されている。今回、そのバンド像が認められる部位を検討した結果、大腿骨頭の後方に位置している症例が多くあることが判明し、さらにそれらの症例の予後は、外科的治療などを必要とせず、良好であることが明らかになった。発生部位による予後予測が可能となったことは、今後の臨床的予後予測において極めて有用な所見と考えられる。 以上より、若年発生例に対する関節温存術である大腿骨頭前方回転骨切り術の有効性、および大腿骨頭後方に発生したSIF症例の予後が良好であることが、世界で初めて解明された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
SIFの予後予測について、年齢および発生部位の両方の観点から解析を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、臨床的因子、画像的因子、病理的因子の多角的観点から予後規定因子を解析し、予防法の開発も併せて行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
転勤に伴い、学会出張が予定より少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度であり、予定通り進めることが可能である。
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