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2016 年度 実施状況報告書

骨代謝における低分子量ストレス蛋白質の分子標的の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K10487
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

大塚 隆信  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (10185316)

研究分担者 水谷 潤  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70326156)
鈴木 伸幸  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (50551230)
小澤 修  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90225417)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードosteoblast / heat shock protein / HSP27 / PDGF-BB / migration
研究実績の概要

我が国では骨粗鬆症罹患患者は年々増加の一途をたどっているが、その病態、治療法は解決すべき事項が多い。適切な治療がなされないと日常生活活動(ADL)や生活の質(QOL)が悪化し、超高齢化を迎えている我が国では社会的損失が大きい。また細胞生物学的観点からは、骨代謝は、骨形成を担う骨芽細胞と骨吸収を担う破骨細胞によって、巧緻に制御されている。骨形成と骨吸収が絶えず活発に行われながらも平衡状態を保ち、適切に骨量は維持されている。しかし、ひとたびそのバランスが破綻すると骨粗鬆症に代表される代謝性骨疾患が生じることとなる。私共は骨代謝制御の中心的役割を担う骨芽細胞の増殖・分化の制御機構を検討し、骨代謝調節因子の細胞内情報伝達機序の詳細を明らかとしてきた。骨代謝における生体制御機構の解析という構想のなかで、特にheat shock protein(HSP)と称される一連のタンパク質に着目し、骨代謝におけるその役割について解析を進めてきた。HSPは近年では熱刺激のみならず様々なストレスに反応して発現されることが明らかとなり、現在ではストレスタンパク質と総称されている。HSPは、変性した蛋白質の3次元的構造の乱れを復元する(refolding)分子シャペロンとしての機能を有し、生体防御機構において中心的な役割を担うタンパク質であるが、骨代謝におけるその役割の詳細は未だ明らかとされていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、低分子量HSPの一つであるHSP27はplatelet-derived growth factor-BB(PDGF-BB)刺激による骨芽細胞の遊走を抑制的に制御し、リン酸化HSP27はその抑制効果をさらに増強することを明らかとした。さらにPDGF-BBはp44/p42 mitogen-activated protein (MAP) kinase、p38 MAP kinase及びstress-activated protein kinase/c-Jun N-terminal kinaseの活性化を介して骨芽細胞の遊走を促進すること、またHSP27はこれらの経路の下流もしくはその他の経路でその遊走を抑制していることを明らかとした。

今後の研究の推進方策

今後も骨芽細胞の増殖、分化等の細胞機能におけるHSP22及びHSP27などのHSPBの役割を検討し、さらにその分子標的を同定することを目的として研究を遂行していく所存である。

次年度使用額が生じた理由

研究の進捗により、当初予定していた物品購入の一部を次年度に変更したため。

次年度使用額の使用計画

次年度に購入するように変更した物品を含め、研究計画に沿って、必要な物品を購入する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Heat shock protein 22 (HSPB8) limits TGF-β-stimulated migration of osteoblasts.2016

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto N, Tokuda H, Kuroyanagi G, Kainuma S, Matsushima-Nishiwaki R, Fujita K, Kozawa O, Otsuka T.
    • 雑誌名

      Molecular and cellular endocrinology

      巻: 436 ページ: 1-9

    • DOI

      10.1016/j.mce.2016.07.011.

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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