| 研究課題/領域番号 |
15K10491
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| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
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研究代表者 |
岩本 卓士 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10348675)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 人工肘関節置換術 / 3次元術前計画 / 関節リウマチ |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は人工肘関節置換術（TEA）に際してCT画像を用いた3 次元術前計画およびカスタムメイドカッティングガイドの作成によるコンピューター支援手術システムを確立し，その再現性の検討および臨床成績に及ぼす影響を検討することである．人工肘関節置換術においては国内外にて3次元術前計画を施行した報告はこれまでのところなく，本研究により3次元術前計画に基づく正確な人工関節の設置が可能となることで，合併症が多いことが報告される人工肘関節であるが人工関節周囲骨折等の重大な合併症の低減に繋がり，人工肘関節置換術の発展に大きく寄与するものと考えている.
本研究ではまずは第1段階として3次元術前計画のシステム構築を行った．3次元画像解析ソフトZedView(レキシー株式会社)を使用し，ナカシマメディカル 株式会社から提供を受けた K-NOW Total elbow system の 3 次元 CAD データを取り込むことによりPC上での仮想インプラントの設置を可能とした．ここに実際の肘関節CTデータを取り込み，骨表面形状および髄腔形状に最も適したサイズ，設置位置を計画した．平成27年度には4例，平成28年度には3例の症例を登録し，術前計画および術後の評価登録を行った．また術前計画を術中に反映するためのツールとしてカスタムメイドカッティングガイドの開発に着手し，屍体を用いてインプラントの設置を行いカッティングガイド作成の準備を進行した．カッティングガイドの完成にはいくつかの課題を有しており現在研究計画の中途段階ではあるものの，3次元術前計画自体は完成に近づいており，本研究の成果を国際学会にて報告し，また国内雑誌において総説として掲載することが出来た．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例数の登録数は予定より遅れているものの，研究内容としては概ね計画通りに進行している．3次元術前計画の手技については概ね完成している．カッティングガイドの作成はCTにて評価困難な軟骨の厚み，微細な骨棘の形状評価が課題であり未だ完成には至っていないが，次年度以降の課題として研究を進行する．
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| 今後の研究の推進方策 |
対象症例数の蓄積が必要であり，術前計画と術後設置位置の誤差評価をCTにて行い統計学的に解析する．またカスタムメイドカッティングガイドの作成に関しては，ある程度余裕を持たせた形状および柔軟性のある素材を用いて作成することにより関節面形状の誤差に対応できる構造とする方向性で進行する予定である．
また3次元術前計画の臨床的意義について，平成27年度，28年度に登録を行った症例の術後経過を詳細に評価し，機能的評価（疼痛，関節可動域，ADL評価）および術後の合併症（脱臼，ゆるみ，再置換）について，過去の2次元術前計画にて手術を施行した症例との比較検討を行う
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は症例数の増加およびカッティングガイド完成に向けた準備段階であったため必要とする経費が予定以下であった．データ解析に必要となるワークステーションおよびソフトウェアに関しては当該年度での購入を見送り，次年度での購入予定とした．
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| 次年度使用額の使用計画 |
平成29年度はデータ解析のためのワークステーションおよびソフトウェアに経費が必要である．またカスタムメイドカッティングガイドの完成に向けて新規素材の使用を予定しており，そのための開発経費も必要となる．さらに得られたデータを国内外において成果発表するための旅費の使用も予定している．
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