研究実績の概要 |
本研究はゲノムワイド関連解析のメタ解析によって同定された関節リウマチ(RA)における101個の疾患感受性遺伝子が疾患の重症化に影響を及ぼしているかどうかを遺伝的リスクスコアを用いて解析するものである。RA重症化の指標としては骨関節破壊の直接評価法であるX線スコア(Sharp/ van der Heijde score)を使用した。これは手足の各関節における骨びらんと関節裂隙狭小化を評価するもので、現在RA患者における骨関節破壊の評価法としては多くの研究で標準的に利用されている。開発者に直接読影法の指導を受けた熟練した整形外科専門医が読影を行い、DNA試料を保有する患者の内、現在1,042名が発症より5年時のX線スコアデータを保有している。遺伝的リスクスコアに用いる候補遺伝子として国際共同研究によるGWASのメタ解析(Okada Y, et al. Nature 2014)によって同定されたRAの101個の疾患感受性遺伝子を用いた。解析対象患者全例においてそれら遺伝子多型情報の同定を行う。ゲノタイピングには多検体同時タイピングに適したTaqMan法を使用して行った。重症化指標であるRA発症5年時のX線スコアを従属変数とし、各SNPにおけるリスクアレル数を説明変数とした回帰分析を行った。調節因子として年齢、性別、抗CCP抗体価を加えた重回帰分析を行った。
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