研究課題/領域番号 |
15K10497
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
市堰 徹 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (30307631)
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研究分担者 |
岡崎 俊朗 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40233308)
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375)
植田 修右 金沢医科大学, 医学部, 助教 (10759583)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 特異的スフィンゴミエリン合成酵素欠損マウス / ステロイド / 血管内皮細胞 / 骨細胞 / 骨芽細胞 / SM-1 / SM-2 / 遺伝子改変マウス |
研究実績の概要 |
各細胞特異的遺伝子欠損マウスでのステロイド短期大量投与大腿骨壊死量の比較検討とVEGF, BMPs, G-CSFによるリバース効果の検討を行った。実験動物は血管内皮細胞、骨・骨芽細胞、マクロファージ各細胞特異的スフィンゴミエリン合成酵素欠損マウスを用いて、SMS-2遺伝子欠損マウス(非致死)にSMS-1遺伝子(この遺伝子欠損マウスは致死性)両端にジーンターゲティング法によりloxP配列を挿入しlox-flanked codition alleleを有する遺伝子改変マウスを作製した。また、現存する骨壊死モデルでは約40-60%の骨壊死発生率のため、100%に近い骨壊死発生を目指して、まず通常のマウスおよびラット、ラビットでの外傷性骨壊死モデルおよびステロイドの複数回の投与などによるモデル作成を行っており、以下の成績を得た。ステロイドの複数回の投与では骨壊死発生率はほぼ変化を認めなかった。ラットの大腿骨頭から頚部にかけて熱凝固を行うことで、ほぼ100%の骨壊死発生率を確認した。現在モデルの作成を重点的に行っており、マウスにも応用段階である。また、抗酸化酵素に関してステロイド投与家兎モデルを使用して、もともと骨および骨髄細胞について他臓器と比較した。その結果、ステロイド投与前から他臓器よりも低く、ステロイドの投与によってさらに減少することが示された。本結果もふまえて本実験にも応用を考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
骨壊死モデルの発生率を増加させるための作業や確認に難渋し、時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
各マウスからの培養血管内皮と骨芽細胞を用いたステロイドと酸化ストレスによるアポトーシス、細胞増殖、ECM産生、移動能への影 響とリバース効果の解析を行う。血管内皮細胞及び骨・骨芽細胞特異的スフィンゴミエリン酵素欠損マウスから血管内皮細胞、骨芽細胞を各々採取し培養する。対照として遺伝子非欠損マウスの血管内皮細胞、骨芽細胞を同様に培養する。抗CD31、ALP抗体を用いた蛍光抗体法により細胞性格と純度を確認する。培養液へのmethylpredonisolone高濃度投与(500nM)による血管内皮細胞(SM-1 -/-, SM-2 -/-)、血管内皮細胞(SM-1 +/+, S M-2 +/+)、骨芽細胞(SM-1 -/-, SM-2 -/-)、骨芽細胞(SM-1 +/+, SM-2 +/+)のアポトーシス、細胞増殖、細胞移動能、EMC産生能の解析を行う。対照としてmethylpredinisolone非投与群を用いて行う。同時に既存の本疾患動物モデルであるステロイド投与ウサギおよび外傷性のラットモデルへの応用を行い、 ターゲットとなりうる蛋白などをin vivoで検討を行う。またウサギおよびラットでのモデルの確立を目指すとともに、マウスでのモデルの応用を行う。その後、遺伝子改変マウスにも応用し、実験を行う予定である。
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