研究課題
本年度 (平成 28 年度) は、TRPV1 およびTRPV4 ノックアウトマウスを交配させて TRPV1・4 ダブルノックアウトマウスを作出した。また、TRPV1 ノックアウトマウス、TRPV4 ノックアウトマウスおよび TRPV1・4 ダブルノックアウトマウスにおける TRPV1 遺伝子もしくは TRPV4 遺伝子がノックアウトされていることを PCR 法を用いて確認した。さらに、これらのマウスにおいて TRPV1 および TRPV4 の機能が欠失していることを TRPV1 agonist および TRPV4 agonist に対する生理学的反応の程度で確認した。具体的には、TRPV1 ノックアウトマウス、TRPV4 ノックアウトマウス、TRPV1・4 ダブルノックアウトマウスおよび野生型マウスに、TRPV1 agonist であるカプサイシン溶液 (10mM) を眼周囲に数滴滴下し、これによって誘発される逃避行動 (eye wipe) の回数 を、TRPV4 agonist である 4α-PDD 溶液 (500μM) を足底皮下に 10μL 投与し、これによって誘発される組織腫脹の程度を評価した。その結果、TRPV1 ノックアウトマウスは、野生型マウスと比較してカプサイシンに対する逃避行動が、TRPV4 ノックアウトマウスは、野生型マウスと比較して 4α-PDD 投与後の組織腫脹が、TRPV1・4 ダブルノックアウトマウスは野生型マウスと比較して、カプサイシンに対する逃避行動および 4α-PDD 投与後の組織腫脹の両方が有意に少ないことが確認できた。
3: やや遅れている
計画2年度 (平成 28 年度) は、TRPV1 およびTRPV4 ノックアウトマウスを交配させて TRPV1, 4 ダブルノックアウトマウスを作出した。また、TRPV1, 4 ダブルノックアウトマウスにおける TRPV1 および TRPV4 遺伝子がノックアウトされていること、TRPV1 および TRPV4 の機能が欠失していることを確認した。しかし、当初計画していた TRPV1, V4 ダブルノックアウトマウスにおける多発関節炎時の脊髄後角・脳内生理活性の評価には至っていない。
次年度 (平成 29 年度) においては、野生型マウス、TRPV1 ノックアウトマウス、TRPV4 ノックアウトマウスおよび TRPV1, 4 ダブルノックアウトマウスを用いた多発関節炎モデルの作成および脊髄後角・脳内生理活性の評価を行う予定である。また、上記マウスを用いた行動学的解析を行う予定である。本研究の成果は、日本生理学会、日本整形外科学会などの国内学会や国際学会に積極的に発表し、国際専門誌に英文論文として発表する予定である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)
Neuroscience Letters
巻: 621 ページ: 104-110
10.1016/j.neulet.2016.04.010.
Journal of Neuroendcrinology
巻: 28 ページ: -
10.1111/jne.12396
Neuroscience Research
巻: 109 ページ: 63-69
10.1016/j.neures.2016.02.005.