研究実績の概要 |
リドカインにエポキシビーズを結合させるために、リドカインの非活性部位にフェノール基を結合させた化合物リドカイン-1を作成した。同時に、その化合物の薬効、毒性評価を行なうために同部位にアセチルアミノ基を結合させたリドカイン-2を作成した。ラットくも膜下にカテーテルを留置し、リドカイン-2を用いてラットくも膜下に投与を行いその薬効・毒性の確認を行った。低濃度(2%)では運動麻痺・感覚障害を認めず,明らかな毒性は認められなかった。 リドカイン-1の結合タンパクを明らかにするために、リドカイン-1のフェノール基を結合させた薬剤にエポキシビーズを固定化させリドカイ ン固定化ビーズを作成した。リドカインの結合しうるターゲット蛋白を調べるためにHeLa細胞を用いて研究を行った。HeLa細胞をDignam法にて細胞破砕液を作成した。KClバッファーにて調整した細胞破砕液を遠心分離し、不溶物除去した。遠心分離した細胞はリドカインを固定化したビーズを混合し、ローテーターにて撹拌しながら結合反応を行った。結合反応後、混合液の磁気分離を行ないバッファーにより洗浄を行った。KClバッファーを用いて溶出させた後、上清を回収し加熱処理を行った。抽出したサンプルを電気泳動し結果を解析した。その結果、リドカインと結合するタンパクのバンドが100 kDa, 70 kDa, 50 kDa, 35 kDa付近にみられた。
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