研究実績の概要 |
神経細胞の代表的なセルラインであるPC12細胞を使用し、LipofectamineTM RNAiMAX Transfection Reagent (Life technologies )による、遺伝子導入条件の確認を引き続き行った。具体的には、PC12細胞に対するsiRNAの導入状況の確認として、GAPDH遺伝子に対するsiRNA(ポジティブコントロールのsiRNA)を導入し、GAPDH遺伝子(ポジティブコントロールsiRNAがターゲットとしている遺伝子)がノックダウンできているかを確認するも効果が一定基準に達せず、研究を続行するのに対し、十分と考えられる安定的な結果を得ることが出来なかった。そのため、このポジティブコントロールが成功した後に、行う予定であったsiRNA(Silencer、 life technologies)によるNR-1、HIF-1α、p-53の各遺伝子の発現抑制モデルの導入条件の検討を行う段階に進むことは残念ながらできなかった。 その一方で、プロポフォールによるプレコンディショニング作用に関する研究は順調に進行した。形態学的手法による培養神経細胞静脈麻酔薬プロポフォールのプレコンディショニング作用を解明する研究を行った。培養2日目に12時間100 nMから1microMのプロポフォールをプレコンディショニングとして投与し、これらのプロポフォールを一旦すべて洗い流した後に、細胞傷害を引き起こした濃度(10, 100 microM)のプロポフォールを24時間投与し、細胞生存率を形態学的に測定、判定を行った。
|