研究課題/領域番号 |
15K10517
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
伊奈川 岳 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員准教授 (60336584)
|
研究分担者 |
後藤 隆久 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00256075)
内本 一宏 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (50710951)
宮崎 智之 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30580724)
水原 敬洋 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (00637712)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 神経科学 / 麻酔科学 |
研究実績の概要 |
まず、7週齢の雄性Sprague-Dawleyラットを用いて、デスフルラン曝露モデルの作成を行った。1.3MAC相当のデスフルランを用いて2時間および5分間、麻酔を施行した。その間は自作プラスチック製麻酔チャンバーを用いた半閉鎖式低麻酔・酸素回路・気化器で行い、カプノグラムで排気中の酸素、二酸化炭素、および吸入麻酔薬濃度を測定した。麻酔終了と同時に血液ガス分析を施行し、ラットの呼吸抑制を認めず、二酸化炭素の貯留がないことを確認し、デスフルラン群を確立した。上述と同じ麻酔チャンバーや回路を用いて、酸素6L/分投与下、1分間置いたものを比較対照群として作成した。 次に、デスフルラン2時間群および対照群、またデスフルラン5分間群および対照群において、研究実施計画書の通りに抑制性回避学習課題を麻酔1日後および7日後に施行した。この結果、デスフルラン2時間麻酔群の1日後で対照群と比較し有意な成績低下を認め、7日後では両群に有意差は認めなかった。また、デスフルラン5分間麻酔群ではいずれも対照群と有意差は認めなかった。よってデスフルラン2時間麻酔1日後には海馬依存性の文脈的記憶学習の障害が生じることを行動学的に検証できた。 続けて、デスフルラン2時間群および対照群、またデスフルラン5分間群および対照群において、研究実施計画書の通りに電気生理学的検討を施行した。麻酔1日後および7日後に、多点皿電極を用いた海馬における細胞外シナプス電位の測定を実施中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
電気生理学的検討の1日に行える数の限度が3匹のため、時間を要し、達成度は遅くなってしまう。
|
今後の研究の推進方策 |
デスフルラン曝露群の電気生理学的検証を終了した後、生化学的検討を行っていく。 またセボフルラン曝露後における記憶学習能への影響も行動学的、電気生理学的、生化学的に検討を行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
生化学的検証まで行う予定であったが、電気生理学的検証に時間を要したため
|
次年度使用額の使用計画 |
ラット、試薬等の購入
|