研究課題/領域番号 |
15K10521
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
内藤 祐介 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (00623498)
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研究分担者 |
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50295789)
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60275328)
酒井 宏水 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70318830)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 人工血液 / 循環虚脱 / ラット |
研究実績の概要 |
平成27年度は予定通り、換気不全モデルの確立およびそれを用いた基礎実験を行った。すなわち、ヘモグロビン小胞体を酸素化しラットに投与した場合における循環虚脱までの時間を検討した。(実験1)その結果、HbV群ではコントロール群に比較して有意に循環虚脱までの時間を延長することが判明した。 延長時間はコントロール群と比較して67秒であり、ヒトとラットの1分当たりの酸素消費量を勘案すると約7分の延長がヒトでは見込める計算となる。この結果は日本麻酔科学会総会で発表を行い優秀演題に採択された。現在、論文として海外雑誌に投稿中である。本研究では、換気停止後30秒の期間をあけてから60秒かけてHbVを投与するモデルであった。現在、さらなる延長を目的にHbV投与量や濃度について検討を行っている。(実験2) 結果および解析は既に終了しているものの、未発表データであるため公表不可能である。 また、同時に循環虚脱後に蘇生を行い、その後の神経学的予後を調べる実験を開始している(実験3) 神経学的予後の評価にはモリス水迷路を用いて1週間の行動学的実験を行った後、脳をホルマリン固定し海馬CA1領域の神経細胞の脱落割合について検討を行っている。 要約すると、申請時のプロトコールにのっとった実験は概ね順調に進んでおり、得られた結果からさらに追加の実験を行っている最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
昨年度は、研究時間が想定以上に確保可能であったため、予定していた実験を前倒しして行っている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
実験3についてさらに解析を進めるとともに、提出したプロトコールには記載していなかった中心静脈酸素飽和度やラクテートレベル、局所酸素飽和度計を用いた脳酸素需給バランスについて今後は検討が必要であると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初実験で購入予定であった多くの備品が既に終了した研究で購入済みであり、流用可能であった。 また、学会などの出張費は医局費から支出した。
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次年度使用額の使用計画 |
申請は前年度の金額を上乗せして請求しているが、実験は計画通り遂行されるため当初申請した額で収まる可能性が高い。
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