高齢者の敗血症では、発症直後は免疫系が活性化過剰状態となり全身炎症状態となるが、その後には免疫不活性化状態に陥り、二次感染の危険性が高まる。本研究では、敗血症に伴う免疫低下の機序を解明し、免疫機能の回復させる治療法の確立を目指した。マウスを用いた敗血症モデルを解析した結果、敗血症はマクロファージを抗菌能力の低い表現型(M2型)に変化させることが判明した。抗体産生に代表される獲得免疫は、マクロファージが貪食した細菌由来のペプチドをT細胞へ提示することで開始される。そこで、マクロファージの抗原提示を促進する化合物取得を目指し、多数の候補化合物の中から迅速に選抜するための新規評価系を構築した。
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