研究課題
神経系の細胞のRNAiはinvitrogen社製のLentiviral RNAi systemを利用した。293FTセルラインでレンチウイルスを発現させるため、作成したpLenti4/BLOCK-IT/Expression Constructに加え、レンチウイルスの作成能力を高めるpLP1、pLP2、pLP/VSVG、pENTER-gusのプラスミドをcotransfectさせた。以上により目的となるAQP Knockdown のshRNAiを発現するレンチウイルスの作成を完了した。アストロサイトのAQP4発現量を、RT-PCRで確認した。以前のKnockdownの発現率に比較して、強くKnockdownしていることが確認できた。hAPQ4-M23に関しては、permanent cell line を、蛍光顕微鏡の蛋白発現と、ウエスタンブロッティングでの蛋白発現の確認を終え、完成させた。Wild-typeのアストロサイトに導入し、overexpressionできることを確認した。低酸素負荷によりAQP knockdownと、overexpression 細胞株のphenotypeの形態学変化、培養液の変化を観察した。細胞傷害がネクローシスかアポトーシスによるものかをフローサイトメトリーで検討している。再酸素化を行う際の至適酸素濃度の決定のため、高濃度の酸素の影響を調べた。50%と80%の条件での培養で細胞傷害を確認した。アストロサイトだけでなく、神経細胞であるSH-SY5Yの培養系でも同様の傷害を確認した。高濃度の酸素傷害を低温が軽減できるかを検討している。またエリスロポエチンが、脳での免疫を司るマイクログリアのLPSで誘導される炎症性サイトカインの誘導を抑制することを見出した。今後さらに脳低温療法の効果の向上に寄与する方策を検討したい。
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