研究課題
神経細胞内の脳由来神経成長因子BDNFおよび神経成長因子NGFの管状輸送に対する麻酔薬の影響を調査していくために可視化可能な量子ドットにより修飾した脳由来神経成長因子BDNFおよび神経成長因子NGFを作成する必要があった。AviTagと呼ばれる部位特異的にライシンを挿入した特殊なBDNF(BDNFAvi)及びNGF(NGFAvi)と挿入されたライシンとBiotinを結合させる酵素であるBirAのプラスミドをEcoli由来のコンピテントセルを用い複製し、QUIAGEN社製ミディプレップを使用し生成することに成功した。BDNFAviとBirAもしくはNGFAviとBirAの組み合わせをHEK293を培養したディッシュにドロップワイズ法を用いて投与し、TurbofectとBiotinを加え72時間インキュベーターにて保存することによりBDNFおよびNGFに一か所だけBiotinが結合されているmBtBDNFおよびmBtNGFが産生され、これらを含む培養液にニッケルアガロースを加え沈降させ溶出バッファーをもちいて精製することができる。このようにして作られたmBtBDNFおよびmBtNGFは市販されているストレプトアビディンを表面に添加されている量子ドットと混和することによりQD-BDNFおよびQD-NGFとなりマイクロフルイディックチャンバーないで培養されたマウスの海馬神経初代培養の成長円錐側に投与することで脳由来神経成長因子BDNFおよび神経成長因子NGFの神経細胞内への取り込み、輸送をライブイメージングにて観察することが可能になり麻酔薬の脳由来神経成長因子BDNFおよび神経成長因子NGFの管状輸送に対する麻酔薬の影響を調査できる。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
British Journal of Anaesthesia
巻: 120 ページ: 745 760
10.1016/j.bja.2017.12.033.