研究課題
周術期の急性腎障害(AKI: Acute Kidney Injury)発症の早期診断バイオマーカーの探索を目的に、血液中、尿中エクソソーム中のmicroRNA(miRNA)を網羅的に解析し、AKI発症の早期検出に有用なmiRNAを検討した。また、そのmiRNAのターゲットとなるタンパク質を同定する事で、AKI発症の新しい機序、及びmiRNAのAKI発症における役割を探求することを主眼において研究を行った。最終年度として、周術期に急性腎障害を発症した患者としなかった患者のmiRNA発現の網羅的解析を行うことで、急性腎障害発症の予知マーカーを、パワー解析で設定した症例数まで症例を収集する事に主眼をおいて、実験を行った。また、急性腎障害のラットモデルの構築にも尽力した。具体的は、麻酔導入直後、(人工心肺中・離脱直後)・手術終了時・(8時間後)・24時間後で採血・採尿を行い、超遠心法及びエクソソーム単離キットを用いて、エクソソームの分離を行った。その後、バイオアナライザーを用いて、サンプルからmiRNA群が抽出されていることを確認後、small RNAのライブラリ作成(Ion total RNA-seq kitを用いたフラグメント化)し、cDNAに変換を行った。さらにエマルジョンPCR法を用いて、cDNAを増幅させ、シーケンシングに持ち込んだ。解析には、CLCバイオ社のGenomic Work Benchを使用した。現在、可能性のあるmicroRNAの統計解析を行っている。また、一方で研究手法が次世代シーケンサーを用いた研究手法で同じなため、共同研究を行った研究課題”次世代シーケンサーを用いた、チアノーゼ先天性心疾患における血球異常症の発症メカニズムに関与する赤血球中microRNAの網羅的解析”に関してh、共同演者として2017年度の日本麻酔科学会で報告し、最優秀演題を受賞した。
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