研究課題/領域番号 |
15K10543
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 正章 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70382918)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 周術期管理 / 肝臓切除術 / バイオマーカー / 酸化ストレス / IMA / HMGB1 / 全身麻酔 |
研究実績の概要 |
本研究のリファレンスとして、大腸癌患者を対象に酸化ストレスの一つであるIMA(Ischemia-modified albumin)とHMGB1(High-mobility group box 1)の変動を確認した。それらの結果、IMAとHMGB1は、周術期の酸化ストレスのバイオマーカとして使用しうることが分かった。このリファレンスによって、我々の検体の取り扱い(保存や輸送)や測定方法は十分確かであることが判明した。このHMGB1の変動は、「Postoperative changes in high mobility group box 1 levels after colorectal cancer surgery」としてJournal of International Medical Research. 2016:0(0); 1-7に掲載された。また本研究の対象者である肝移植レシピエントにおいて、移植肝の血流モリタリングで奇異な変動を示した症例報告を共著者として現在投稿中である。さらに肝移植ドナーの周術期輸液管理に関する報告を日本麻酔科学会総会において共同演者として報告した。これらの報告には、本研究費の助成があることを明記した。 本年3月31日、本研究における対象者の登録数は、肝臓切除術48例(目標60)、肝移植症例:ドナー20例(目標40例)、レシピエント21例(目標40例)となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
隣県の群馬県で起こった肝臓手術に関する事件の影響で減少した肝臓切除術症例は回復している。そのため肝臓切除症例はほぼ目標に到達すると考える。しかしながら、肝移植症例は都内の病院に集中し、その傾向は変わらない。そのため年40症例ほど行われていた肝移植手術症例数は年10例ほどとなり、手術症例の回復は難しい状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本年6月で登録を終了し、8月以降から測定及び解析を行う予定である。 最終的には、肝臓切除症例は50例前後、肝移植ドナーと肝移植レシピエントは20例前後となる見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例数の伸び悩みのため、検体収集が主な行動となった。 結果が、出せなかったため、学会報告なども困難となった。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は検体の測定を大量に行うことになる。 結果によって、学会報告なども適宜行う予定である。
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