研究実績の概要 |
1)消化器外科肝腫瘍切除術61例、移植外科肝移植術ドナー30例とレシピエント30例をエントリーすることができた。データの整理を行い、実際には消化器外科肝腫瘍切除術46例、移植外科肝移植術ドナー24例とレシピエント28例を解析対象とした。 現在、消化器外科肝腫瘍切除術46例を解析した結果、新規酸化アルブミン(Ischemia Modified Albumin [IMA])、HMGB1の測定を行なった。IMA、HMGB1は全経過中に有意な変化(p<0.01)が起こることがを確認できた。アルブミン、白血球、CRPも同様に全経過中の変化は有意な結果を示した。それらを踏まえて、さらにHb、ALT、T-Chol、HDL-C、血糖の結果を添えて、論文化する予定である。 肝移植患者のドナー症例とレシピエント症例は、測定結果を待ちである。 2)レシピエントの術後経過を確認していた時に、麻酔モニターの周術期管理における新規性を見つけた。それらは肝移植の学会誌であるPediatric Transplantに報告した。Shiba J, Satoh M, Taira K, Niwa Y, Inoue S, Mizuta K, Takeuchi M. Near-infrared spectroscopy might be a useful tool for predicting the risk of vascular complications after pediatric liver transplants: Two case reports. Pediatr Transplant. 2018 Feb;22(1). doi: 10.1111/petr.13089. Epub 2017 Nov 21. 3)ドナーの解析から、男女における炎症反応の違いを今年6月に開催されるEuroanaesthesia2018(デンマーク、コペンハーゲン)において、「Does gender difference affect inflammatory reaction in patients with hepatectomy?」という演題名で報告する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は、検体の収集が間に合わず、バイオマーカーの測定が行えなかったため、繰り越し金額が1,059,254円であった。平成29年度は検体の測定を行うことができる状況に至ったため、本来の900,000円に昨年度の繰越金を加えて、合計1,959,254円の直接経費で研究を行った。今年度検体の測定等に使用した経費は1,806,488円であり、平成28年度と29年度の経費を合わせて使用することで無事測定を行うことができた。新たに152,766円の繰り越しが生じたが、この繰越金は、検体測定の予備と昨年度から行っている研究成果の発表や論文化で使用することが十分見込まれると考える。
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