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2017 年度 実績報告書

急性肺障害の慢性化過程に動的な生体内レドックスリモデリングが果たす役割の追究

研究課題

研究課題/領域番号 15K10551
研究機関公益財団法人田附興風会

研究代表者

足立 健彦  公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第9研究部, 部長 (90252428)

研究分担者 広田 喜一  関西医科大学, 医学部, 教授 (00283606)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード酸素環境 / thioredoxin / 低酸素誘導性因子1 / 敗血症 / 急性肺傷害
研究実績の概要

酸素環境が激しく変化する臓器である肺を特に取り上げて生体内レドックス環境が炎症反応の進展に果たす役割の解明を目指すことが本申請の目的である。生体内レドックス制御因子であるチオレドキシン(thioredoxin, TRX1)を中核として、その結合タンパク質thioredoxin-interacting protein(TXNIP)と低酸素誘導性因子1(hypoxia-inducible factor 1, HIF-1)との相互作用の解析を通して敗血症から急性肺障害を経て肺線維症にまでいたる生体内機序を理解することが具体的な目標である。初期の実験計画に基づき今年度は以下の研究を行った。
# 培養細胞を用いたin vitro実験の確立-細胞株を用いての実験系の確立に続いて今年度は,初代培養細胞(肺胞マクロファージ、腹腔マクロファージ(チオグルタレート刺激))を用いた実験系の確立を行った。昨年度の研究成果と合わせて,TXR1はHIF-1活性化を促進すること,HIF-1はTXNIPの発現を促進するが,TXNIPはTRX1の活性化を抑制するという関係が存在することが明らかになった。このことは細胞のレドックス環境が複数の分子の微妙なバランスの上に存在することを示唆する。
今年度はさらに外因性物質で ある PAMPs と内因性物質である alarmins を含む DAMPs(damage-associated molecular patterns: 傷害関連分子パターン) を用いた検討を行いHIF-1の活性化を確認した。肺線維症の原因となり得るタバコ抽出液により肺胞,気管支上皮由来の細胞において活性酸素依存的にTRXの発現誘導とHIF-1の活性化をもたらすことを見いだした。
# 動物モデル-昨年度は着手できなかった動物モデルを構築した。敗血症モデルと低酸素モデルをマウスを用いて構築してサンプルの採取に着手し酸素代謝に関わる分子とサイトカイン・ケモカインの発現を測定する実験系を確立した。
また肺線維症の原因となり得るタバコ煙の吸引が肺において活性酸素依存的にHIF-1の活性化をもたらすことを見いだした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Propofol induces a metabolic switch to glycolysis and cell death in a mitochondrial electron transport chain-dependent manner2018

    • 著者名/発表者名
      Sumi C, Okamoto A, Tanaka H, Nishi K, Kusunoki M, Shoji T, Uba T, Matsuo Y, Adachi T, Hayashi JI ,Takenaga K, Hirota K
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 13 ページ: e0192796

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0192796

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] HIF-1-Mediated Suppression of Mitochondria Electron Transport Chain Function Confers _Resistance to Lidocaine-induced Cell Death2017

    • 著者名/発表者名
      SHINICHI KAI, Kiichi Hirota, Chisato Sumi, Akihisa Okamoto, Kenichiro Nishi, Munenori Kusunoki, Yoshiyuki Matsuo, Takehiko Adachi
    • 学会等名
      American Society of Anesthesiology 2017 annual meeting
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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