研究課題/領域番号 |
15K10557
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
萩平 哲 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教授 (90243229)
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研究分担者 |
高階 雅紀 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (30221352)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 他チャンネル脳波計測 / 独立成分分析 / リアルタイム処理 |
研究実績の概要 |
主研究者の異動のため,移動先の施設で新たに研究に関して倫理委員会の承認を得た.その上で昨年度作成した14チャンネルの脳波が取得できるEMOTIV社製のヘッドセット用の脳波データ収集用ソフトウェアを用いてデータ収集を行ってきた.収集用ソフトウェアはEMOTIVのSDKを用いてWindows7上でEmbarcadero社製C++Builder XE8で開発した.現在のところデータ解析は途中である. リアルタイム処理に関してはまだ開発中であるが,高速化のための行列演算ライブラリを構築しておりライブラリの整備に関してはほぼ完了している.その上で,データを取得しながら逐次独立成分分析(ICA)を行う部分に取り組んでいる.演算速度的には十分にリアルタイム処理できると考えられるものである.現在のところICAで得られた成分からどのようにしてノイズを自動判別して除去し信号を再構成するかなどに関してのアルゴリズムを検討中である.最終年度には完成できるもの考えている. また,当初予定していたSymbolic Transfer Entropy (STE)を計算する部分に関しても取り組んでいる.本年度に参加したワークショップではAnesthesiology誌に意識消失前後でのSTEの変化に関して報告しているLee U氏からも直接話を聞くことができ,STEに関する理解を深めることもできた.さらにはLee氏の協力が得られることとなった.STE演算システムの構築に関しても遅れてはいるものの進行している.こちらも最終年度には完成できると考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実績の概要に書いたように主研究者の異動のため,倫理委員会への再申請などが必要となり,データ収集を開始するのが遅くなった.データの蓄積途中であるため,データ解析も半ばである.システム開発全体に関してはこの1年多くの時間を割くことができなかったことも大きな理由の一つである.
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今後の研究の推進方策 |
主研究者は2017年4月より再び異動となったが,研究に割ける時間が増加すること,及びデータ収集する環境全体も改善されるため,これまでの遅れを取り戻せるものと考えている.また工学系の協力者の協力も得られることになっておりシステム構築は加速すると考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の度重なる異動のため研究実施計画が遅れてしまい、予定の実験を行うことができず、次年度は今まで以上に実験を行う時間が取れるため、次年度の実験計画に予算を充てる予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
臨床研究に係る試薬や、論文投稿のための英文校正費、また成果発表を行うための旅費などに当てる。
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