研究課題/領域番号 |
15K10561
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
細川 豊史 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80165555)
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研究分担者 |
上野 博司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20381965)
原田 秋穂 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (80433259)
深澤 圭太 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90398404)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 神経障害性疼痛 / マイクログリア |
研究実績の概要 |
神経障害性疼痛は神経系の直接損傷や炎症、糖尿病といった様々な病態により引き起こされるため、そのメカニズムも多岐にわたる。近年、神経細胞とマイクログリアやアストロサイトといった脊髄グリア細胞との間のNeuroimmuno Communicationが神経障害性疼痛の発症と病態維持に重要な役割を果たしているということが分かってきた。本研究ではCompartment cultureを用い、in vitro神経傷害モデルを作成する。Compartment cultureでは神経細胞の細胞体と軸索部分に分けて培養することができる。マウス後根神経節から採取した一次知覚神経細胞を神経細胞体と2つの軸索コンパートメントに分けて培養し、2つの軸索コンパートメントの内、1つに傷害を加え、in vitro神経傷害モデルを作成する。in vivo神経傷害モデルにはSNI(Spared Nerve Injury)モデルを適応し、in vitroおよびin vivo神経傷害モデルの両神経傷害モデルで共通の神経傷害後に発現量が変化するタンパク質を調査する。次にこの標的物質に対するマイクログリアの化学遊走能や貪食能といった機能面での変化および形態学的変化を調査する。最後にこの標的物質に対する薬理学的阻害薬の痛覚過敏抑制効果をin vivo神経傷害モデルであるSNIモデルを用い、機械刺激に対する痛覚閾値を測定することで検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は7つの実験により構成されており、本年度はその内、2つの実験が行われた。 ①in vitro神経傷害モデルの作成と標的物質の検索 この実験において、in vitro神経傷害モデルを構築するため、マウス後根神経節より一次知覚神経細胞の培養を成功させなければならない。本年度はこの一次知覚神経細胞の培養の確立に難渋している。 ②神経障害性疼痛モデルにおける標的物質の発現変化の調査 この実験では、in vivo神経傷害モデルにSNI(Spared Nerve Injury)モデルを適応している。本年度はこのモデルが作成できるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は①in vitro神経傷害モデルを確立するため、後根神経節より採取した一次知覚神経細胞の培養を成功させる。また②in vivo神経傷害モデルが作成できるようになったため、発現量変化を起こしているタンパク質を調査する。また本年度は脊髄におけるマイクログリアの免疫組織染色に成功しており、今後はその経時的変化を調査する予定である。in vivo神経傷害モデルにおける脊髄でのマイクログリアの経時的変化を明らかにし、in vitroおよびin vivo両モデルでの神経傷害後のどの時点におけるタンパク質の発現変化を調査すればよいのかが明らかになるため、その時点での両モデルにおける神経傷害後のタンパク質変化を調査する。その後、その発現量変化を起こしているタンパク質に対するマイクログリアの化学遊走能について調査する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に本研究に必要な物品は購入したため、残金32円は次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度に残金として発生した32円は次年度の物品費に組み込んで使用する予定である。
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