研究課題
平成29年度は、完成したEORTC QLQ-TC26日本語版の信頼性と妥当性を検証する作業に移った。その上で精巣癌サバイバーの実態調査を行う予定であるため、妥当性検証およびサバイバー実態調査を行うための、多施設共同研究のプロトコール作成および研究体制の構築を行った。プロトコールは東北大学医学系研究科の倫理委員会で承認されており、研究が開始できる状況にある。約200名を対象とした妥当性検証研究と 約300名の精巣癌サバイバーを対象とした実態調査研究を行う予定であり、平成30-32年度の科学研究費 基盤C研究に採択されている。【課題番号18K09185:精巣癌に特異的な質問票EORTC QLQ-TC26日本語版を用いた大規模横断的研究】研究期間全体での成果:平成28年度に完成させたEORTC QLQ-TC26日本語版が日本泌尿器科学会雑誌に掲載された。国際学会では、平成28年の米国泌尿器科学会で精巣癌患者の性機能変化に関する前向き研究を報告した。平成29年の米国泌尿器科学会では精巣癌患者の発症年齢が高齢化していることを報告した。国内学会では、平成28年の日本泌尿器科学会総会および日本泌尿器腫瘍学会のシンポジウムで精巣癌サバイバーのQOL評価の重要性について講演した。また、平成28年の日本泌尿器科学会総会で精巣癌サバイバーの内分泌機能や射精機能に関する発表を行った。平成29年の日本泌尿器腫瘍学会では国際的に妥当性を有した精巣癌QOL質問票の日本語版を開発したことを発表し、今後の多施設共同研究を行う上での意見交換を交わした。今後、EORTC QLQ-TC26日本語版の妥当性を多施設共同研究で検証し、本邦精巣癌患者QOLの実態を大規模多施設共同で明らかにすることができると考える。さらには今後国際比較も含め、精巣癌患者のQOL向上を目指した治療法の開発に役立てることが期待できる。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
日本泌尿器科学会雑誌
巻: 108 ページ: 128-136