研究課題/領域番号 |
15K10571
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三塚 浩二 東北大学, 大学病院, 講師 (80568171)
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研究分担者 |
安達 尚宣 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (20706303)
荒井 陽一 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50193058)
川崎 芳英 東北大学, 医学系研究科, 助教 (80722256)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / ホルモン療法 |
研究実績の概要 |
前立腺癌に対するホルモン療法は標準療法のひとつであり、男性ホルモンを抑制することにより前立腺癌の進行を抑えたり、あるいは骨転移などによる痛みなどの症状を緩和することが期待できる。一方でホルモン療法により男性ホルモンが抑制され続けることで様々な弊害が起こり得ることが報告されており、体重増加、脂質代謝異常症、筋肉減少、肥満、血糖上昇、メタボリック症候群など脂質糖代謝にも大きな変化を与えることが海外を中心に報告されている。ただ日本人における影響についてはまとまった報告はなく、我々はこれまでの研究で日本人前立腺癌患者でも欧米人と同様に代謝の変化が起こり得ることを明らかにしてきた。またこれまでの報告はGnRH agonistを使用した研究であったが、最近では受容体を直接阻害するGnRH antagonistが広く使われようになり、GnRH antagonistが代謝へ与える影響についても検討が必要と考え、新たな前向き臨床研究を企画し現在約100例でプロトコル期間が終了し、データを解析中である。Agonistとantagonist両者ともに最終的にテストステロンを去勢レベルにまで低下させるのは同様だが、その作用機序は大きく異なり、agonistとantagonistで代謝に関する影響が異なることがあれば、今後の薬剤の選択にも大きな影響を与えることが考えられる。 また日本では本来ホルモン療法が適応ではない早期癌や高齢者に対してもホルモン療法が多く使用される傾向にあり、本研究の結果を英文誌に投稿し本邦のガイドラインにも引用されることにより、多少なりともホルモン量の負の影響を広く泌尿器科医に認識してもらうことにより過剰治療の抑制に多少なりとも貢献できたものと考える。
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