研究課題/領域番号 |
15K10572
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山下 慎一 東北大学, 大学病院, 助教 (10622425)
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研究分担者 |
荒井 陽一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50193058)
中川 敦寛 東北大学, 大学病院, 助教 (10447162)
海法 康裕 東北大学, 大学病院, 講師 (30447130)
川守田 直樹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00617524)
川口 奉洋 東北大学, 大学病院, 助教 (10723447)
中川 晴夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (80333574)
大谷 清伸 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (80536748)
安達 尚宣 東北大学, 大学病院, 助教 (20706303)
川崎 芳英 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80722256)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 腎部分切除術 / 腎癌 / 無阻血 |
研究実績の概要 |
無阻血で安全に腎部分切除術が行える新規パルスジェットメスを開発するためにブタおよびラットを用いて研究を行った。 平成27年度の研究にてブタ腎臓の腎実質、腎被膜、腎盂の破断強度を測定した。 そこで、腎被膜や腎盂は腎実質よりも硬く、腎被膜や腎盂を損傷せずに腎実質を切離するパルスジェットメスの条件を見出した。その条件では腎実質内の細血管も温存することができ、残存した血管を凝固することで無阻血で腎部分切除を行うことが可能となった。しかも、腎盂を損傷せずに腎部分切除を行うことができ、術後の尿瘻などの尿路の損傷を減らすことができる可能性を認めた。また、残存した血管のみを凝固するために、パルスジェットメスを用いることで凝固による組織損傷を軽減させることができる可能性が示唆され、免疫組織化学的手法を用いて組織学的な評価も行っている。さらに、腹腔鏡用のパルスジェットメスの開発にも着手した。腹腔鏡では気腹圧を利用することができ、開腹手術よりも出血量を減少させることができた。これまでの本研究成果を日本泌尿器科内視鏡学会で報告した。 平成28年度は腹腔鏡用のパルスジェットメスの開発を進めるとともに、ラットを用いて、パルスジェットメスによる無阻血腎部分切除術後の残存腎と既存の凝固切開装置を用いた腎部分切除術後の残存腎を比較し、術後の組織障害を検討する予定である。また、臨床試験を念頭にヒト摘出臓器(腎臓)の評価も行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ブタ腎臓の腎実質、腎被膜、腎盂の破断強度を測定し、腎被膜や腎盂を損傷せずに腎実質を切離するパルスジェットメスの条件を見出した。それにより無阻血で腎部分切除を行うことが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
腎部分切除術は開腹手術だけでなく、腹腔鏡下でも広く行われるようになった。これまでの研究で開腹手術よりも出血量を減少させることができ、腹腔鏡用のパルスジェットメスの開発をさらに進める予定である。 また、術後の腎機能や残存腎の損傷の程度を評価し、パルスジェットメスの有用性を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い生じた未使用額である。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度請求額とあわせ、平成28年度の研究遂行に使用する予定である。
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