研究課題/領域番号 |
15K10584
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
影山 進 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (50378452)
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研究分担者 |
富田 圭司 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30640148)
花田 英紀 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40555067)
吉田 哲也 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (60510310)
平竹 潤 京都大学, 化学研究所, 教授 (80199075)
吉貴 達寛 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (80230704)
河内 明宏 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90240952)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | γ-グルタミルシクロトランスフェラーゼ / 抗癌剤 / 低分子阻害薬 |
研究実績の概要 |
1.GGCT阻害低分子リード化合物の設計・合成: GGCTの反応機構にもとづき,重要な触媒残基であるGlu98を標的に,この残基と強い静電的相互作用をすると予測される環状アミジン1a(分子量314.22,構造非表示)を設計した.また,GGCTが細胞内酵素であることを考慮し,1aのプロドラッグである細胞透過性にすぐれたエステル型誘導体1d(分子量256.30,構造非表示)も設計した.現在,同化合物の合成に着手している.一方で,リコンビナントGGCTからペプチド型阻害物質をスクリーニングする検討も行った.数十種類のペプチドからN-glutaryl-L-alanine(GA)がリコンビナントGGCT活性を強く阻害することが判明した.これらをGGCT阻害薬のリード化合物候補とした. 2.同化合物のGGCT酵素活性阻害作用の検証: リコンビナントGGCTタンパクでの酵素活性阻害が乳がん細胞MCF7(予備検討でGGCT高発現を確認済み)の内因性GGCTにおいても再現されるか検討する目的で,われわれが(株)ペプチド研究所と開発したGGCT活性蛍光基質LISA-101を用いて測定した.すると,MCF7の可溶化液に0.1mM GAを添加すると有意に蛍光が減じ,GAが細胞質由来のGGCT活性を阻害することが示された.しかしながら,細胞を破壊せずにGAを添加しても,GGCT阻害作用は認められず,GAの細胞内移行不良が示唆された.化合物1a,1dについては合成が未完成なため,GGCT酵素活性阻害の検討は出来ていない.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リード化合物の設計,合成およびスクリーニングが遅れたため.
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今後の研究の推進方策 |
進捗が遅れているものの,リード化合物の選別や作成は予定通り行っている.したがって,今後も当初計画通りの方針で,酵素活性阻害の検討,in vitroおよびin vivoにおける抗癌作用につき,検討を行っていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の根幹を成すリード化合物の設計・合成・スクリーニングに遅滞が生じたため,研究費の残額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画自体は変更することなく進める計画であり,当初予定の研究総額を使用する予定である.
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