研究課題/領域番号 |
15K10585
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
吉貴 達寛 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (80230704)
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研究分担者 |
花田 英紀 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40555067)
影山 進 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (50378452)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | C7orf24 / γ-グルタミルシクロトランスフェラーゼ / 抗がん剤 / ペプチド型阻害剤 |
研究実績の概要 |
GGCT阻害剤の抗がん活性とその阻害機構の検討 種々の癌細胞にGGCT阻害剤を添加し、細胞増殖に対する効果を評価した。これまでに前立腺癌細胞株、白血病細胞株、肺癌細胞株、乳癌細胞株の細胞に対し、27年度に改良したGGCT阻害剤の細胞増殖抑制効果について検討し、すべてのがん細胞に対して細胞増殖の抑制が見られた。また、ヒト正常前立腺細胞、末梢血単球、ヒト正常乳腺上皮細胞にGGCT阻害剤を添加し、細胞毒性について検討を行った。その結果、私たちが開発したGGCT阻害剤による細胞増殖抑制作用は正常細胞に比べてがん細胞に対して感受性が高く、正常細胞に対する毒性は低いと考えられた。 さらに、前立腺癌細胞にGGCT阻害剤処理によるアポトーシス関連因子の変動について評価するため、アポトーシス誘導性の抗がん剤(タキソテール)処理と比較し、GGCT阻害剤処理では、カスパーゼ-3, 7, 8の活性化が起っていないこと、また、sub G1細胞分画の増大が起らないことを確認した。また、GGCT阻害剤処理下の前立腺癌細胞、乳がん細胞、白血病細胞において、細胞マーカーの指標である-ガラクトシダーゼの増大が確認でき、GGCT阻害による細胞死機構にアポトーシスではなく、細胞老化が関与していることが考えられた。また、GGCT阻害剤処理下の乳がん細胞、白血病細胞において、DNAの障害の指標であるヒストンのリン酸化の増大が確認できた。今後、GGCTの代謝産物のがん細胞増殖との関連性についても検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ペプチド型阻害剤の開発が成功し、阻害剤を用いた次年度計画研究を進めることができるため。
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今後の研究の推進方策 |
GGCT阻害剤をPC-3担癌マウスに投与し、その抗腫瘍効果を検討する。また、正常組織に対する毒性に関して組織切片を作製し検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬購入の際、端数が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画は変更することがなく進めるので、当初予定の研究総額を使用する予定である。
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