研究課題
私達が同定したヒト第7染色体上の遺伝子産物C7orf24について、その遺伝子発現抑制によりがん細胞の増殖が抑制されることを、in vitroおよびin vivoの両方で報告してきた。一方、C7orf24はγ-グルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)と同一分子であることが判明したが、がん細胞におけるその酵素活性の役割は明らかではない。私達は本研究において、GGCTの酵素活性ががん細胞増殖に関与する可能性について、その阻害剤を開発し、その阻害剤による抗腫瘍活性を検討することを目的としている。私達は,これまに、N-glutaryl-L-alanine (GA)を酵素阻害化合物として見出し,GGCTの蛍光人工基質“LISA-101”を用いた方法でGGCT活性を測定する方法を確立した。しかし、これまでに見出したGAは細胞膜の透過性が低かった。したがって私達は、細胞膜の透過性を上げるための修飾を行ったいくつかのエステルに変換したGAのプロドラッグ候補化合物を蛍光標識し、膜透過性を評価した。そして、acetoxymethyl ester 型の化合物が細胞内で効果あることを見出した。最終的に、それを基本構造としたGAのプロドラッグ(pro-GA :methyl-acetoxymethyl ester of GA)を開発し高いGGCT活性を持つがん細胞に対して細胞増殖抑制効果があるかを検討した。さらに担がんマウスにpro-GAを全身投与し,腫瘍効果を検討した。
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