研究課題/領域番号 |
15K10589
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
三宅 秀明 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (60379435)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 腎細胞癌 / temsirolimus / custirsen / clusterin |
研究実績の概要 |
我々は交付申請書における研究計画に記した通り、現在までにTemsirolimusによるRCC細胞株におけるclusterinの誘導様式の評価、CustirsenによるRCC細胞株におけるclusterin発現抑制効果の解析、Temsirolimusおよびcustirsen併用療法がRCC細胞株の形質変化に及ぼす影響の解析、Temsirolimusおよびcustirsen併用療法がRCC細胞株の遺伝子発現レベルに及ぼす影響の解析を施行し、以下の知見を得た。 1)Temsirolimus投与により2種類のヒトRCC細胞株(ACHN、Caki-1)にclusterinの発現が亢進した。2)Temsirolimusにより亢進したACHN、Caki-1におけるclusterinの発現を、custirsenが濃度依存性に阻害した。3)Temsirolimus+ custirsen併用投与により、custirsen単独、temsirolimus+control ODN併用投与に比し、ACHN、Caki-1の細胞増殖は顕著に抑制されたが、遊走および浸潤能に有意な差を認めなかった。4)Temsirolimus+ custirsen併用投与により、ACHN、Caki-1におけるアポトーシス、シグナル伝達およびオートファジー関連した複数の分子の発現が顕著に変化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記した通り、本研究課題は交付申請書における研究計画に従って、ほぼ順調に推移していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は今後以下の順序で推進して行く予定である。 1)In vivo RCCモデルにおけるtemsirolimusおよびcustirsen併用療法の評価(①In vivoにおけるtemsirolimusおよびcustirsen併用療法のclusterin発現レベルの制御の評価、②In vivoにおけるtemsirolimusおよびcustirsen併用療法の抗腫瘍効果の検討、③In vivoにおけるtemsirolimusおよびcustirsen併用療法の至適投与スケジュールの解析)、2)Temsirolimusおよびcustirsen併用療法における抗腫瘍効果発現に関与する分子を対象としたRCCに対する新規治療標的の開発、3)RCCのtemsirolimusに対する治療抵抗性獲得の早期診断に有用な分子マーカーの同定(①根治的腎摘除術標本を用いた免疫組織化学染色、②Temsirolimus投与中および投与後の血清を用いた分子マーカー検索)
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