研究課題/領域番号 |
15K10591
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
亭島 淳 広島大学, 医歯薬保健学研究院 (医), 准教授 (20397962)
|
研究分担者 |
松原 昭郎 広島大学, 医歯薬保健学研究院 (医), 教授 (10239064)
神明 俊輔 広島大学, 病院(医), 病院助教 (70749936)
井上 省吾 広島大学, 病院(医), 病院助教 (90457177)
正路 晃一 広島大学, 病院(医), 助教 (90565805)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 前立腺癌 |
研究実績の概要 |
1)前立腺癌における内分泌性FGFファミリーの血清濃度とその組織内での局在の関連を明らかにするために前立腺全摘除術でえられた前立腺癌組織におけるFGF19、FGF21、FGF23、Klothoさらにその関連分子の発現を免疫組織染色で確認した。その結果、FGF19、FGF21の免疫染色陽性症例は有意に術後再発率が高く、FGF19、FGF21の陽性は術後再発の独立した予測因子であった。これらのデータはこれまでの研究結果と一致する内容であった。次に各症例の血清中のFGF19、FGF21、FGF23、Klothoさらにその関連分子群の血清濃度を測定したところ、免疫染色におけるFGF19陽性群、FGF21陽性群はいずれも血清中のFGF19、FGF21が各分子の陰性群に比較して低濃度であることが明らかになった。次にCRPC症例、」有転移症例、さらに他の泌尿器癌の症例についても血中濃度を測定したところ、関連分子群のうち、Reg4の血清濃度が各癌種の進展と相関しており、特にCRPC症例で高値を呈し、治療介入にて低値になることが明らかとなった。 2)HSPCならびにCRPC細胞の培地内の内分泌性FGF濃度を上昇させることにより、cell viabilityの増強、アポトーシスの抑制がられることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
癌組織および血清を用いた実験は、すでに検体がストックされていてただちに使用可能となっているものに関しては順調に進行している。一方、前向きに経過観察を継続しながらサンプルを採取する必要がある実験については、濃度測定や免疫染色自体は順次施行できても、データの集積に時間を要する。
|
今後の研究の推進方策 |
さらに前向きにサンプル採取を進め、データの集積につとめる。内分泌性FGFだけでなくその関連分子として報告されている分子群についても血清濃度の測定と免疫染色を行い、内分泌性FGFの血中濃度、組織での発現との関連を解析することが、ヒト生体内およびCRPC組織内における内分泌性FGFの分子機構解明に重要であると考えられる。
|