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2015 年度 実施状況報告書

腎がんにたいするイミキモドとチロシンキナーゼ阻害剤の新規併用療法

研究課題

研究課題/領域番号 15K10593
研究機関高知大学

研究代表者

辛島 尚  高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (60304672)

研究分担者 執印 太郎  高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (70128601)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード腎がん / イミキモド / チロシンキナーゼ阻害剤
研究実績の概要

【研究目的】外科手術不能な転移性腎がんの全身療法として、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)と免疫賦活剤であるイミキモドを用いた治療法の有効性と安全性を世界に先駆けて報告してきた。本研究の目的は、イミキモド+TKI併用療法を実臨床に応用できる新規治療方法として確立することである。【研究実績】これまでに、腎がんの腎同所移植モデルにたいして、イミキモド皮膚塗布とソラフェニブ経口投与を行った結果、併用群においてコントロール群と比較して有意に腫瘍体積は抑制されたことが証明されていた。今回この結果は、胸腺無形性ヌードマウスでは認められなかった。このことより、Tリンパ球を介した抗腫瘍効果であることが示唆された。また、イミキモドによる脾細胞の腫瘍細胞特異的な殺細胞効果を51クロムリリースアッセイにて検討した。結果、イミキモドにより脾細胞の腫瘍細胞特異的な殺細胞効果は有意に上昇した。さらに、抗CD4ならびにCD8抗体を用いたフローサイトメトリーにより、脾細胞のポピュレーションを調べた。イミキモドにより、CD4陰性CD8陽性脾細胞が増加することが認められた。以上より、イミキモドならびにイミキモド+TKI併用療法の抗腫瘍メカニズムの中心は、腫瘍細胞特異的なcytotoxic T lymphocyteの活性化と考えられた。これらは、当初の予想に矛盾しない結果であった。
一方、イミキモドの効果はインターフェロン-α(IFN-α)で代替できるのではないかとの指摘があった。そこで、IFN-αとイミキモド治療の比較を行った。イミキモドはIFN-αと比較して、より抗腫瘍効果が高い傾向であった。また、イミキモドはIFN-αより明らかに副作用が軽微であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

①イミキモド+TKI併用療法の抗腫瘍メカニズムを検討する。②最適なTKIの選別と至適投与量ならびにスケジュールを検討する。③安定した薬物動態を目的として、イミキモドクリーム剤をテープ剤型へ改良する。以上の3点を当初の目的としていた。今回、イミキモド治療による抗腫瘍効果のメカニズムが解明されたことより、目的①は達成できた。よって、計画はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後の計画として、②最適なTKIの選別と至適投与量ならびにスケジュールを検討する。③安定した薬物動態を目的として、イミキモドクリーム剤をテープ剤型へ改良する。以上の2点がある。現在、イミキモド塗布の至適方法を検討している。表皮の状態にて薬剤効果が限定されている可能性があるため、より皮膚状態を良好に保つための改良をしている。加えて、至適な投与量の検討を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 腎癌にたいするイミキモドとチロシンキナーゼ阻害剤の新規併用療法2015

    • 著者名/発表者名
      辛島尚、宇高恵子、新村真由美、川田千明、井上啓史、黒田直人、清木元治、執印太郎、
    • 学会等名
      第53回日本癌治療学会学術集会
    • 発表場所
      国立京都国際会館他(京都市)
    • 年月日
      2015-10-29 – 2015-10-31
  • [学会発表] 腎癌にたいするイミダゾキノリン誘導体とチロシンキナーゼ阻害剤の新規併用療法2015

    • 著者名/発表者名
      辛島尚 宇高恵子 新村真由美 川田千明 鎌田雅行 井上啓史 黒田直人 執印太郎
    • 学会等名
      第103回日本泌尿器科学会総会
    • 発表場所
      石川県立音楽堂他(金沢市)
    • 年月日
      2015-04-18 – 2015-04-21

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公開日: 2017-01-06  

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