研究課題/領域番号 |
15K10594
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
竹原 浩介 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (40580345)
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研究分担者 |
宮田 康好 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380888)
望月 保志 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (40404256)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Fes / 膀胱癌 / 細胞増殖 / 細胞浸潤 / 細胞遊走 / 予後 / 化学療法 / TUBB3 |
研究実績の概要 |
膀胱癌におけるFes / Ferの病理学的役割を、尿路癌cell lineおよび膀胱癌組織において検討してきたが、膀胱癌患者203名における検討では、Fesの発現がpT stageや筋層浸潤と関連する傾向は認めたものの、有意差までは至らなかった。同様に、Fesの発現と癌細胞増殖についての検討でも、正の相関は認めるものの有意差はなかった(相関係数r = 0.051、P = 0.607)。一方、cell linesを用いた検討において、最も悪性度の低いT24 cellにおいてFesの発現をknock-down(KD)すると、増殖能、浸潤能、遊走能が有意に低下することがわかった。一方、低悪性度、中悪性度のcell linesでは、このような傾向は認めなかった。そこで、上記の203名の膀胱癌患者において、悪性度別に再検討すると、high grade癌では筋層浸潤癌で有意に(P = 0.002)高値であり、Fes発現と癌細胞増殖に有意な正相関を認めた(P = 0.002)。また、high grade癌でFes高発現の患者で有意(P = 0.021)に転移出現までの期間が短かった。 一方、本研究の過程において、Fes/Ferと関連するclass III beta-tubulin(TUBB3)の解析を行ったところ、TUBB3の発現はシスプラチンを含む一次化学療法の効果とは関連しないものの、シスプラチン抵抗性癌におけるPTXを含む二次化学療法の治療効果と有意に(P = 0.021)関連していることがわかった。
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