研究実績の概要 |
臨床検体を用いた解析で、血漿Caveolin (Cav) 1 ,-2 levelはnon-CRPC群と比較してCRPC群で有意に増加していた(Cav-1: p=0.003/ Cav-2: p=0.002)。またcell lineにおいてもCav-1,-2はmRNAおよびprotein levelともにLNCaP(non-CRPC model)に比べてPC3(CRPC model)で有意に高発現していた(p<0.001)。さらに、PC3 Cav-1 ノックダウン(KD) 株ではそのco-factorと言われるCav-2の強い発現抑制を認め、かつこのCav-2をKDすると同じくCAV1の発現が強く抑制されるといった連動性も確認できた。 前立腺癌細胞株から抽出した蛋白とmRNAを用いた免疫ブロット及びPCRでは、PC3において他細胞株と比較しCav-1, -2の高発現を認めた。 siRNAによるPC3細胞におけるCav-1, -2のknockdownを行い、Cav-1, -2が十分knockdownされていることをreal time RT-PCRで確認した。さらにCav-1のknockdownでCav-2の発現が抑制され、同様にCav-2のknockdownによりCav-1の発現が抑制されていたことを再度確認した。Cav-1, -2をKDしたPC3を用いて、migration assayを行ったところ、controlと比べ有意に遊走能の低下を認めた。しかし、invasion assayではCav-1, -2のKDによる浸潤能の有意な変化はみられなかった。その要因を探るべくCav-1, -2のKDによるEMT関連分子の変化を解析した結果、Cav-1、2のKDによるE-cadherinの発現亢進がみられた。CaveolinのKDによる遊走能の変化に上皮間葉転換(EMT)現象が関与している可能性を考慮し、現在解析を進めている。
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