研究課題/領域番号 |
15K10602
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
河合 憲康 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20254279)
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研究分担者 |
安藤 亮介 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30381867)
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264733)
内木 拓 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50551272)
小林 大地 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80570704)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 磁性微粒子 / 新規温熱治療 / IVR / 塞栓物質 / がん転移巣 |
研究実績の概要 |
「研究の目的」私たちは磁性微粒子が交番磁界または交流電流の印加によって特異的に発熱する性質を生かした新規温熱治療を開発してきた。この治療は磁性微粒子をいかに的確に目的とする病巣に到達させることができるかが鍵となる。臨床応用をする場合、あらゆる転移巣により現実的に到達させる方法にIVR (Interventional Radiolory) 技術の応用がある。この治療法を確立するため (1) 血流から注入した場合に標的病巣に磁性微粒子が停滞するための条件 (2) (1)による温熱治療の可否および温熱免疫について動物モデルを用いて研究する。 平成27年度はin vitro においてMCLと塞栓物質の混和物がMCLとしての性状を維持しているかを検証した。 方法は1) 塞栓物質①油性造影剤リピオドール、②無水エタノール、③NBCA(n-butyl-2-cianoacrylate)、④ゼラチンスポンジの4種のMCLとの混和物を作成 2)(1) in vitro で4種類の混合物に交番磁場照射をして温度計測により発熱特性を確認する。 (2)4種類の混和物を、いままでのMCLを局注する研究で用いてきたラット前立腺癌皮下移植モデルの皮下移植腫瘍に局注し、磁場照射による組織内磁場誘導加温法を実施。①摘出して分布を確認 ②ラット前立腺癌皮下移植モデルの腫瘍塊にMCLを注入し、小動物用磁場発生装置を用いて誘電加温をおこなう。腫瘍体積を測定し、温熱治療の効果を評価 ③腫瘍体積の状況、経時的に腫瘍を摘出し、腫瘍組織におけるCD4,CD8,NK cell, HSP70,MHC1を免疫組織学的に確認し、温熱免疫の発現を評価
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1) 塞栓物質①油性造影剤リピオドール、②無水エタノール、③NBCA(n-butyl-2-cianoacrylate)、④ゼラチンスポンジの4種のMCLとの混和物を作成は可能であった。 2)(1) in vitro で4種類の混合物に交番磁場照射をして温度計測により発熱特性を確認も可能であった。 (2)4種類の混和物を、いままでのMCLを局注する研究で用いてきたラット前立腺癌皮下移植モデルの皮下移植腫瘍に局注し、磁場照射による組織内磁場誘導加温法を実施の段階で、予測されていた治療効果が認められなかった。そのため、免疫系の評価もできなかった。In vitroとIn vivoでは条件が違うので、in vivoでは想定する結果がでなかったと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
H27年度の予定であった 4種類の塞栓物質①油性造影剤リピオドール、②無水エタノール、③NBCA(n-butyl-2-cianoacrylate)、④ゼラチンスポンジの4種のMCLとの混和物を用いたin vivoでのラット前立腺癌皮下腫瘍モデルでの組織内磁場誘導加温法を再検する。 温熱治療の評価と免疫系の評価を行う。 H28年度の予定としてのMCLを固形癌の転移巣へ注入するためにIVRの技術、すなわち動脈造影の技術を用いた標的臓器にMCLを留置する手技の確認を行う。 獣医による麻酔が施行されたミニブタを1頭使用する。動脈造影の手技の確認・確立と混和物の停滞の評定臓器への停滞の確認であり、さらに貴重な動物であるので1頭と した
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