研究課題/領域番号 |
15K10606
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
原 勲 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10263378)
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研究分担者 |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
尾島 敏康 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60448785)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 腫瘍免疫学 / iPS細胞 / 樹状細胞 / 癌幹細胞 |
研究実績の概要 |
1. DNAJB8を効率よく発現させるためのベクターの開発 ヒトDNAJB8のcDNAをプラスミド発現ベクターであるpcDNA3に通常の遺伝子組み替え法によって組み込んだ。発現の程度に関してはelectroporation法による遺伝子導入を行い、発現の有無をWestern blotting法にて確認した。 さらにより効率の高い発現ベクターとしてアデノウイルスベクターを作成中である。アデノウイルスベクターの作成は完全長DNA導入法で行った。ヒトDNAJB8のcDNAをcosmid vector pAxCAwit2(TaKaRa)に挿入し組み替えcosmidを作成した。組換えコスミドより目的遺伝子を含む組換えアデノウイルスゲノムを切り出し、293細胞へ導入することにより1次ウイルス液を得ようとしたが293細胞の不具合のためかまだ1次ウイルス液の調整ができていない。現在もいろいろと工夫を加えてウイルス液の調整を目指しているところである。 2. 末梢血由来樹状細胞の確立 ヒト末梢血よりFicoll-Hypaque法にて単核球を分離し、付着細胞をIL-4、GM-CSFの存在下で7日間培養して得られた未熟樹状細胞をGM-CSF存在下で培養し樹状細胞を得ることができた。樹状細胞の成熟化に関し各種細胞表面マーカーを用いて評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アデノウイルスベクターのウイルス液が得られた状態で樹状細胞にウイルスを感染させDNAJB8の発現を確認したいのだが293細胞の調子が良くないせいかアデノウイルスベクターがまだ完成できていない点が問題と思われる。
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今後の研究の推進方策 |
アデノウイルスに関しては発売元のTakaraとも連絡を取り、今後の対策に関して協議中である。場合によってはTakaraにウイルスの作成を依頼することも考慮中である。またアデノウイルスに限らずレトロウイルスを用いた発現系に関しても試みる価値があるかもしれない。末梢血由来の樹状細胞の調整に関しては問題なく行えているため発現ベクターの確立が急務であると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
アデノウイルスの調整が若干遅れ気味のためiPS細胞由来樹状細胞の実験計画に着手できていないため
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次年度使用額の使用計画 |
アデノウイルスの調整に関しさらなる工夫を加えると同時にiPS細胞由来樹状細胞の実験に着手する。
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