アビラテロンの治療を受けた64症例のCRPCでは、PSA奏効率が54.7%(35/64)であった。このうちCTCクラスターが検出されなかった症例のPSA奏効率が87.5%(35/40)だったのに対し、CTCクラスターAR-V7を有する症例では0%(0/20)であった。エンザルタミドで治療された32症例のCRPCにおいても同様な傾向であり、CTCクラスターが検出されなかった症例のPSA奏効率が73.0%(17/21)だったのに対し、CTCクラスターAR-V7を有する症例では16.7%(1/6)であった。PSA無増悪生存をCTCクラスターの有無により解析した結果、CTCクラスターが検出されなかった症例は検出された症例に比べ、有意に良好であった。AR-V7の発現による解析でもAR-V7を発現していない症例は、発現している症例に比べ有意に良好だった。またベースラインの予後因子について多変量解析でPSA無増悪生存との相関を解析した結果、有意な関連因子は、CTCクラスターの有無(p<0.001)とCTC-クラスターのARV7発現の有無(p<0.001)、ALP値(p=0.023)であった。CTCクラスターにおけるAR-V7の検出が、アビラテロン及びエンザルタミドの治療効果の予測に有用である可能性が明らかになった。今後は、血液中のがん分子・遺伝子診断を実現の技術・システムの研究を開発していく予定である。
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