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2015 年度 実施状況報告書

前立腺癌に対する癌ワクチン療法に応用しうるペプチドの同定

研究課題

研究課題/領域番号 15K10612
研究機関近畿大学

研究代表者

南 高文  近畿大学, 医学部, 講師 (70340809)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードペプチドワクチン
研究実績の概要

近年、多くの腫瘍抗原がcytotoxic T lymphocytes(CTLs)を誘導することが確認されており、その腫瘍抗原のペプチドを利用した癌ペプチドワクチン療法の有効性が報告されている。現在、癌ワクチン療法の適応はHLA-A2,-A24陽性患者のみで臨床に応用できるHLA-A3 supertype alleles拘束性の癌ペプチドは無いのが現状である。この状況を打開するためにHLA-A3 super type拘束性のペプチド同定を目的とした。本研究に対し同意を得た前立腺癌患者より末梢血30ccを採取し、Ficoll-Conray液による末梢血単核球細胞を遠心分離とフローサイトメトリーにて同定したHLA-A3 supertype allelesのうちHLA‐A11,-A31,-A33陽性のものを対象とした。3種類の前立腺癌関連抗原(PTH-rP,EGFR,EZH2)のクラスⅠ拘束性ペプチドを1抗原3~5種類合成した。次にHLA-A1101,-A3101,-A3303強発現LNCaPトランスフェクタントを樹立した。HLAタイピング及びPBMCの採取を施行しHLA-A3 supertype alleles陽性例であった12例に対し各ペプチドにてPBMCを刺激しC1R-A11,-A31,-A33をtargetとしCTLassayを施行したところEZHペプチドの1種に対し12例中7例にてペプチド特異的CTLの誘導を確認した。次にCTLの誘導を認めたEZHペプチドにて刺激されたCD8+CTLsにて6時間51Cr release assayでLNCaP,LNCaP-A11,-A31,-A33に対してのcytotoxicityを確認した。HLA-A11,-A31,-A33陽性患者各2例にてHLA-A3拘束性ペプチド特異的cytotoxicityを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

3種類の前立腺癌関連抗原(PTH-rP,EGFR,EZH2)のクラスⅠ拘束性ペプチドにてPBMCを刺激しC1R-A11,-A31,-A33をtargetとしCTLassayを施行したところ最もペプチド特異的CTLの誘導を確認できたEZHペプチドの1種に対し同ペプチドにてpulseされたCD8+CTLsにて6時間51Cr release assayを施行。HLA-A11,-A31,-A33陽性患者各2例にてHLA-A3拘束性ペプチド特異的cytotoxicityを確認できた。またペプチド刺激されたCTLsの特異性をcold inhibition assayにて確認した。具体的には51Cr-labeled target cells(2×103/well)を2×104effector cellと2×104cold target cellと共に培養しcold target cellとしてHIVまたはペプチドを刺激したC1R-A11,C1R-A31,C1R-A33を使用した。HLA-A11,-A31,-A33陽性患者各2例にてにてEZHペプチドを刺激したcold target cellにより51Cr-labeled target cellへのcytotoxicityが抑制されペプチド刺激されたCTLsの特異性を確認した。
しかしながらLNCaP,LNCaP-A11,-A31,-A33の状態が不良にて再度作成を要する状況である。

今後の研究の推進方策

さらにEZHペプチド同様残る2種類の前立腺癌関連抗原(PTH-rP,EGFR)においても同実験系にてペプチド同定を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] New polycomb group protein enhancer of zeste homolog (EZH) 2-derived peptide with the potential to induce cancer-reactive cytotoxic T lymphocytes in prostate cancer patients with HLA-A3 supertype alleles.2015

    • 著者名/発表者名
      Minami T, Minami T, Shimizu N, Yamamoto Y, De Velasco MA, Nozawa M, Yoshimura K, Harashima N, Harada M, Uemura H.
    • 雑誌名

      Int Immunopharmacol.

      巻: 26(1) ページ: 133-138

    • DOI

      10.1016/j.intimp.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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