前立腺がんは内分泌治療が奏効するが、数年後にはその半数以上が去勢抵抗性癌へと進行する。去勢抵抗性となってもアンドロゲンレセプター(AR)が前立腺がんの生存増殖に重要であるが、その阻害剤はアンタゴニストのみである。 筆者らは微生物代謝産物からヒト前立腺がん細胞のアンドロゲン依存性増殖を抑制する物質としてandroprostamine(APA)を発見した。APAはマウスを用いた動物実験において臨床で使用されているビカルタミドよりも優れた抗腫瘍作用を示したが、体重減少などの副作用が認められた。そこで、APAをもとに50種類の誘導体を合成し、活性を保持したまま副作用を軽減した化合物の合成に成功した。
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