研究課題/領域番号 |
15K10619
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新美 文彩 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00376451)
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研究分担者 |
野宮 明 東京大学, 医学部附属病院, 登録診療員 (30372379)
藤田 泰典 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30515888)
井川 靖彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (40159588)
本間 之夫 東京大学, 医学部附属病院, 登録診療員 (40165626)
伊藤 雅史 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (80393114)
相澤 直樹 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80595257)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 間質性膀胱炎 / miRNA |
研究実績の概要 |
間質性膀胱炎は原因不明の強い膀胱痛を呈する難治性炎症性疾患であり、診断法も確立していない。唯一、ハンナ病変と呼ばれる粘膜変化があるのみで、生化学的なバイオマーカーがない事が臨床上問題となっている。 我々は間質性膀胱炎の患者組織を用いてこれまでにmRNAやmiRNAの網羅的解析を行い、報告してきたが、miRNAのなかではmiR-200 familyが最もはっきりとした変化を示していたため、この治験をもとにmiRNAの定量および標的遺伝子の同定、ルシフェラーゼアッセイによる機能評価などを行った。昨年度はqRT-PCRによりmiR-205およびmiR200 familyの発現亢進を再確認し、コントロール群ではnon Hunner type ICにて上昇し、Hunner typeで低下していたことを確認した。 本年度は特にin situ hybridizationを行い、micro RNAの局在について検討を行った。 まずはU6sRNAを用いて、miRNA-ISHの手技を確立させた後に、miR-205およびmiR-200familyについてそれぞれコントロール群、Hunner type IC、non Hunner type ICの3群に分けてin sity hybridizationを行った。結果、controlではmiR-205でもmiR 200 familyでも発現は認められなかった。Hunner type においても同様の結果であった。non Hunner type では上皮および粘膜下層にmiR-205 およびmiR-200bの散発的な発現を認めた。miR 200 familyはカドヘリンをはじめとしたEMTに関与するマイクロRNAであることがしられており、non Hunner type IC患者の膀胱においても、接着因子の異常などが病態に関与している可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は特にin situ hybridizationを行い、micro RNAの局在について検討を行った。 まずはU6sRNAを用いて、miRNA-ISHの手技を確立させた後に、miR-205およびmiR-200familyについてそれぞれコントロール群、Hunner type IC、non Hunner type ICの3群に分けてin sity hybridizationを行った。miRNAのin situ hybridizationの手技の確立にやや難渋し、実際の染色などがうまくいくまでに期間を費やしたが、手技が確立した後は順調に計画が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は in situ hybridizationにより間質性膀胱炎患者の膀胱粘膜におけるmiRNAの局在について評価を行うことができた。 今後は、尿中にこれらのmiRNAがどの程度発現しているかを検証し、バイオマーカーとして使用可能か評価を行う方針である。
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