研究課題/領域番号 |
15K10621
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
澤田 智史 山梨大学, 総合研究部, 助教 (70402055)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 慢性虚血 / α1ブロッカー / タムスロシン / 膀胱機能 / SDラット |
研究実績の概要 |
慢性虚血が持続することによって過活動膀胱から病態が進展すると低活動膀胱に移行するということがすでに報告されている。(Nomiya M et al.;J Urol 2014)この予防としてミラベグロン投与が予防的に膀胱機能を保護することはすでに報告している。(Sawada N et al.;Eur Urol 2013)本研究ではミラベグロンをいったん血管が傷害をうけてから頻尿の症状を改善させるかをみるものであったが、近年、α1ブロッカーであるタムスロシンが膀胱内の血流を改善させることが証明されたため、タムスロシンによる膀胱機能改善効果があるかどうかを確かめる実験に変更した。(Mine S et al.;Urology 2013) 17週令のSprague-Dawley雄性ラットを以下の3群にわけて排尿動態およびオーガンバススタディのパラメーターを比較検討した。8週間後からタムスロシン投与し、すでに傷害を受けた膀胱組織の改善作用があるかどうかをみるのは16週後で2群(コントロール、慢性虚血)と比較し、慢性虚血+タムスロシン投与群で排尿間隔、平均膀胱容量、平均排尿量の改善の有無を検討した。慢性虚血群と慢性虚血+タムスロシン投与群は8週間目では排尿機能のパラメーターでは有意差がなかったが、16週間後にはタムスロシン投与群はコントロールと有意差が消失しており、タムスロシンによる症状の改善があったと考えられた。 今後は膀胱組織および総腸骨動脈の切片を使用した動脈硬化の程度とeNOS, nNOS, iNOSの免疫遜色の変化をみる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
膀胱血流測定は機械の調整が間に合わず、不可であった。病理組織、免疫組織学的検討は現在行っている。
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今後の研究の推進方策 |
病理組織、免疫学的染色を行うこと。 同じ実験を繰り返したのち、膀胱組織をWestern blotにてeNOS, nNOS, iNOS染色で行う予定である。 上記の結果をみて、今回、タムスロシンによる改善効果は血流の改善によるものであることを証明したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった機械の調整が間に合わず次年度以降の購入となったため繰越金が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度購入出来なかった機械の購入などに充てる予定である。
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