研究課題
本研究では、2つの観点から予防法の開発を目指して研究を行ってきた。1. 腎尿細管細胞のミトコンドリア傷害に着目した治療薬とバイオマーカーの開発Cyclophilin Dのノックアウトマウスにシュウ酸前駆物質を投与し、結石の形成および細胞内の分子機構を解明することを試みた。シュウ酸の前駆物質であるグリオキシル酸を80mg/Kg/dayで投与したところ、wild typeと比較し、Cyclophilin Dノックアウトマウスでは、結石形成量が少なかった。電子顕微鏡で、ミトコンドリア障害に差があることを見出した。Cyclophilin Dの選択的阻害剤であるNIM811を腎尿細管培養細胞や結石形成モデル動物(in vivo)に投与し、細胞内カルシウム濃度の変化、酸化ストレスや腎尿細管細胞傷害、尿路結石形成の違いを比較した。尿中cyclophilin Dの測定を行った。シュウ酸カルシウム結石の形成にcyclophilin Dを介したミトコンドリア傷害が関わっており、治療ターゲットになることが示唆された。2. ヒトゲノムワイド関連解析による新規関連遺伝子の同定とリスク診断法の開発網羅的なヒトゲノムワイド関連解析で同定した遺伝子領域から、関連遺伝子の一塩基多型解析を行い、ハプロタイプによるリスク診断法を確立することを試みている。これまでの基礎研究、臨床研究、ゲノムワイド解析より得られた約50種類の候補遺伝子産物について、尿路結石患者および健常者の血液・尿を用いた複数蛋白同時測定システム (マルチプレックス解析システムMAGPIXでの解析を実施した。健常者でM1マクロファージ関連物質が低下し、結石患者でM2マクロファージ関連物質が増加していることが示唆された。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件)
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