研究課題/領域番号 |
15K10628
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
濱本 周造 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (80551267)
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研究分担者 |
郡 健二郎 名古屋市立大学, その他部局等, 学長 (30122047)
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (40264733)
安井 孝周 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40326153)
岡田 淳志 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (70444966)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 尿路結石 / オステオポンチン |
研究実績の概要 |
腎結石の発症頻度は急増し、再発予防法の確立は先進国において緊急課題である。腎結石は90%の無機物質と数%の有機物質(マトリックス)から構成されている。私たちは、マトリックス成分が結石形成に重要であると考え、有機物質の成分としてオステオポンチン(OPN)を同定し、結石形成の分子機構を解明してきた。そこで、OPNノックアウトマウスを作成し、OPNは腎結石の形成を促進することを証明した。さらに、OPN遺伝子組み換えマウスでは、OPNの機能接着部位と考えられるRGD配列が、結石形成に特に関わっていることを証明した。 本研究では初めに、RGD配列の隣にあって、切断型OPNにて露出されるアミノ酸配列に対する中和抗体を作成し、腎結石形成作用を検討した。抗体投与により、マウスの腎結晶は通常のマウス腎結石と比較して、内部が細かく、小さな結晶となることがわかった。電子顕微鏡による尿細管細胞の構造も、抗体投与にて、尿細管細胞障害が抑制され、結晶の形成も認められなかった。つまりOPN抗体で結石形成量や形態形成が抑制されることを証明した。同時にサルモデルでの検討を行なったが、予想に反して結石を形成するサルは見つからず、サル腎結石モデル自体が、ヒトモデルに適さないと判断した。 現在、ヒト結石患者の腎組織、尿中における切断型OPN、全長型OPNを定量化し、結石患者特有の結石形成の指標(バイオマーカー)になりえるかの検討を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サルモデルでの検討を行なったが、予想に反して結石を形成するサルは見つからず、サル腎結石モデル自体が、ヒトモデルに適さないと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現在、ヒト結石患者、非結石患者(特発性腎出血)の腎組織、尿中における切断型OPN、全長型OPNを定量化し、結石患者特有の結石形成の指標(バイオマーカー)になりえるかの検討を行なっている。具体的には、院内IRBへの研究計画書を提出し、受理された。今後、患者への同意のもと検体採取を行なっていく。
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