研究課題
Pax2 ES細胞を用い、5% CO2、37°Cで、培養液はGlasgow MEMに10% FCS、10-4M 2-メルカプトエタノール、non-essential aminoacid、 1mM sodium pyruvate、1000U/ml LIF(leukemia inhibitory factor: ESGRO)を加えたもので培養する。Pax2 ES細胞をLIFを除いた培 養液中でhanging drop法を用い、胚様体(EB)を形成させる。5日後にEBを再度ディッシュに付着させ、分化を進めて、10日目でEBを0 .25%トリプシンEDTA溶液にて回収し、TRISol、クロロホルムにてmRNAを抽出、2-プロパノール、エタノールにて沈殿させ回収する。回 収したEBはRT-PCR法でPax2遺伝子が発現していることが確認できた。また他の腎発生の各段階で発現してくる遺伝子に変化がないかど うかをRT-PCR法を用い確認したところ、aquaporin-1、Integrin a8、BMP4、BMP7、Pax8、Podocinの発現上昇が認められた。そこで、 これらのEBをPax2発現細胞に対し、Pax2で標識した細胞を回収する条件でFACSを行い、細胞回収を行った。これらの細胞に対し、再度 上記の遺伝子の発現が上昇しているかをRT-PCR法で確認したところ、aquaporin-1の上昇が確認できた。これらの結果を受けてaquaporin-1を用い、アクチビンA・RA非添加の条件下で分化させたPax2遺伝子を発現させたEBs をPax2とaquaporin-1で二重標識し、FACSを行ったところ、両者の陽性細胞の増加を確認することができた。よって、中胚葉分化因子との協調により、腎を構成する多様な細胞への分化が可能性が示唆され、腎発生メカニズムの解明や将来の腎再生医療への応用が期待できると考えられた。
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