研究実績の概要 |
マウスの脾臓を用いたフローサイトメトリー解析によるCD4/Foxp3陽性細胞のpopulationの解析は安定してできるようになった。また血清中の炎症性サイトカイン(IL-6, IL-10, IL-2, TNF-alpha等)測定や、qRT-PCRによる腎臓・脾臓中の炎症性サイトカインおよび免疫関連抗原分子のmRNA(IL-6, IL-10, Foxp3, TGF-beta, CD80, CD86, ICAM-1等)の測定も安定してできるようになった。さらにウエスタンブロッティング法により腎臓中の免疫関連抗原分子(CD80, CD86, ICAM-1等)のタンパク発現量も安定して可視化できるようになった。 今後は同種同系のC57BL/6 (MHC: H-2b)、同種異系のBALB/c (MHC: H-2d)の皮膚片をそれぞれC57BL/6 (MHC: H-2b)に移植(H-2b ⇒ H-2b: syngeneic control, 非感作マウス、H-2d ⇒ H-2b: allogeneic control, 感作マウス)し、皮膚片が約10日間で拒絶されることを確認する(感作マウスの作成)。ここでは感作・非感作マウスでそれぞれ血清BAFF濃度、ならびに2次リンパ組織中のB細胞レパートリー(特に形質細胞)の細胞数が増加することが予想される。 これが確認できたら感作・非感作マウスにそれぞれ抗CD20抗体 (rituximab)やproteosome inhibitor (bortezomib)を投与し、BAFF濃度の推移と2次リンパ組織中のB細胞レパートリーとの関連性を評価する。我々の仮説が正しければ感作マウスでは2次リンパ組織中の形質細胞数が多数存在し、B細胞系のホメオスターシスが保たれているため、BAFF濃度は非感作マウスと比較して低く維持されているはずである。
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