研究課題/領域番号 |
15K10643
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
祖父江 理 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (80452671)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 生体腎移植 / IgA腎症 / バイオマーカー / 糖鎖異常IgA1 |
研究実績の概要 |
当院にて生体腎移植を行った連続27例のドナー・レシピエントを対象として、腎移植(提供)前、6、12か月後に血清学的IgA活動性を、移植後1, 3年後に定期腎生検にてIgA沈着症を前向き観察研究にて検討した。 27例中10例に移植後3年以内のIgA沈着症(IgA沈着群)を、27例のドナー中8例に持込みIgA沈着症を認めた。血清糖鎖異常IgA1、抗糖鎖異常IgA1-IgG、糖鎖異常IgA1-IgG免疫複合体の3項目ともにIgA沈着群、沈着なし群、持込みIgA沈着ドナー群の3群間で有意差は認めなかった。自己腎におけるIgA腎症検出モデルを移植腎に適応すると、AUC 0.65、感度88%、特異度60%の検出度であった。また、3年目の移植腎生検にてIgA沈着症の自然消失を認めた症例や、C3の共染色を認めない症例では1年時の免疫複合体濃度は低い傾向にあった。 このことから、血清学的IgA活動性は移植後IgA沈着症との強い関連を認めなかったが、移植後IgA沈着症の予後予測に有用である可能性が示唆された。 並行して国内最大規模の移植腎生検を行う患者を対象とした多施設共同研究を立ち上げ、バイオマーカーでの移植後IgA腎症/沈着症の検出を目的に症例を集積している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在当院にて45例のレシピエントを登録している。他院を含めたコホートをくわえると93例の登録となり、目標に達する見込みである。
|
今後の研究の推進方策 |
多施設共同研究を推進し、多くの症例の集積に努める
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度も患者登録が主であったため当初の予定よりも使用額が少なかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
最終年度となるため解析、論文化、公表に使用額を要する予定である
|