アンドロゲンの機能破綻は、先天性形成異常の1つである尿道下裂の主要要因であると考えられる。しかし、その発症機序はほとんど分かっていない。本研究から、尿道形成過程においてアンドロゲンシグナルの下流遺伝子としてMafBを同定した。さらに、MafBの下流で機能しうる遺伝子をいくつか同定することができた。外生殖器伸長過程において、細胞増殖・細胞死制御は重要であるが、MafBノックアウトマウスの解析から尿道形成には細胞増殖・細胞死制御以外のプロセスが不可欠である可能性を見出した。今後、MafBの下流候補遺伝子の機能解析を進めることで、尿道下裂発症機序の理解が進むことが期待される。
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