マウスモデルによる腎臓移植後の生着期間の観察、拒絶移植片の病理学的解析および抗CD20モノクローナル抗体および抗TNFα抗体の投与による生着期間の延長を確認し投与方法や投与後の抗ドナー抗体の経時的変化を観察することにより効果的な使用方法と免疫細胞の浸潤等やB細胞による液性拒絶以外の抗原提示細胞能力の減弱による移植片の拒絶および生着延長効果の解析を行うことを目的として移植モデルの手術手技確立をおこなっている。 実験の基本モデルの手術手技はマウスの左腎臓を大動脈とともにen-blockに摘出し、レシピエントの左腎摘出後に腹部大動脈と下大静脈に吻合をおこない1週間後に対側腎の摘出をおこない生存を確認することで生着とし、A/Jマウス(H-2a)からC57BL/6(H-2b)マウスへのMHC Full-Mismatchの 腎移植をおこなう。 A/JマウスからC57BL/6/CCR5-/-マウスへの腎移植をおこない抗体関連型拒絶が腎移植モデルでの確認ができないようであれば心臓移植モデルへの変更を考慮するとしていたが、腎臓の移植手技が安定しておらず手技の確立を目指したが手技の安定には一定の手術を定期的に行う必要があるが、手術に費やせる時間が難しく手技が安定しなかった。心臓移植、皮膚移植等で代替も可能と考えるがすでにおこなわれている研究でもあり、可能なかぎり腎臓移植での研究継続をおこないたいと考える。現在は定期的にマウス心臓移植のモデルを作成しているが同種心移植での生着率が不良であり薬物投与をおこなえる状況になっておらず大幅に実験が遅れている状況であり定期的な手術施行を行っている。
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