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2015 年度 実施状況報告書

pDCを用いた末梢性免疫寛容誘導による移植臓器長期生着への戦略

研究課題

研究課題/領域番号 15K10649
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

篠田 和伸  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60348737)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード免疫寛容
研究実績の概要

研究の概要は、マウス腎移植におけるSpontaneous kidney acceptanceのモデルから、plasmacytoid dendritic cell(pDC)による末梢性免疫寛容誘導のメカニズムを解明し、plasmacytoid dendritic cellによる制御性T細胞の有効な誘導法を確立し、他臓器(心臓、皮膚)移植での末梢性免疫寛容が誘導可能かどうかを検証することである。研究の平成27年度の目標は、どのような条件で有効にドナー特異的免疫寛容を持つTregが誘導されるかを検証する事とした。
1、まず、DBA, C3Hの骨髄細胞からpDCが分離できるかどうかを検討した。骨髄細胞をsingle cell suspensionとしMiltenyi社のpDC separationキットでpDCを分離することができた。
2、既知の事実として、DBAドナーからB6レシピエントへの腎移植においてはspontaneous toleranceが成立するが、C3Hドナーからの移植では成立しない事が分かっている。そこでDBAおよびC3H由来のpDCを用いて、B6由来のナイーブT細胞(CD4+CD25-)と共培養し、まずはTreg (Foxp3+T細胞)の誘導率をフローサイトメトリーで検討した。C3Hでは誘導率3-5%程度であったのに対し、DBAでは10-15%と有意に高値であった。また同時に細胞内サイトカイン及び、上清中のサイトカインを測定したところ、DBA pDCを含む細胞群ではIL-10、TGF-bの産生が有意に上昇していた。
3、次の目標としては上記のDirect pathwayだけでなく、Indirect pathway (B6由来pDCにDBA由来細胞断片を貪食させ、B6 T細胞に抗原提示させる)においてもTreg誘導が高率に行われる事を確認することである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

フローサイトメトリーの機器的な問題により、解析が遅延してしまった。プロトコール作成の問題点は解決できてきているので、今後は遅延する事なく解析が行えるものと考えている。

今後の研究の推進方策

次の目標としては上記のDirect pathwayだけでなく、Indirect pathway (B6由来pDCにDBA由来細胞断片を貪食させ、B6 T細胞に抗原提示させる)においてもTreg誘導が高率に行われる事を確認することである。その際に貪食を有効に行わせるためアポトーシス細胞が放出する”find-me”シグナルであるヌクレオチドを添加する予定である。これに成功すれば、その細胞群を複数回にわけてレシピエントに静脈内投与し、腎移植を行いspontaneous toleranceが成立しないC3Hでも移植腎生着延長が見られるか検討するのが課題である。

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公開日: 2017-01-06  

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