研究実績の概要 |
研究の平成28年度の研究実績は以下の通りである。 1、 まず、使用するマウスとしてDBA, C3H, B6を用いたが、それらの骨髄細胞をsingle cell suspensionとしMiltenyi社のpDC separationキットでpDCを分離することができた。さらにフローサイトメトリーでB220highLy6chighCD11clowの集団であることを確認できた。 1、既知の事実として、DBAドナーからB6レシピエントへの腎移植においてはspontaneous toleranceが成立するが、C3Hドナーからの移植では成立しない事が分かっている。そこでDBAおよびC3H由来のpDCを用いて、B6由来のナイーブT細胞(CD4+CD25-)と共培養し、まずはTreg (Foxp3+T細胞)の誘導率をフローサイトメトリーで検討した。上記の細胞を3日間共培養し、T細胞の細胞内染色を行いFoxp3陽性細胞の割合を検討した。C3Hでは誘導率3-5%程度であったのに対し、DBAでは10-15%と有意に高値であった。また同時に細胞内サイトカイン及び、上清中のサイトカインを測定したところ、DBA pDCを含む細胞群ではIL-10、TGF-bの産生が有意に上昇していた。 2、上記のDirect pathwayだけでなく、Indirect pathway (B6由来pDCにDBA由来細胞断片を貪食させ、B6 T細胞に抗原提示させる)においてもTreg誘導が高率に行われる事を確認することが平成28年度の目標であった。その際に貪食を有効に行わせるためアポトーシス細胞が放出する”find-me”シグナルであるヌクレオチドを添加し、Treg誘導を確認する予定であったが、思うような結果が出ていないのが現状である。現在、実験系を修正し、確認している途中である。
|