胎児炎症反応症候群(FIRS)は、炎症が羊膜や臍帯に及んだ段階の絨毛膜羊膜炎で発症する。一方、動物実験では、アクチビンの作用を打ち消すアクチビン結合蛋白質の投与により敗血症における生存率が改善することが報告されているため、炎症性サイトカイン刺激時のヒト羊膜細胞におけるアクチビンとアクチビンの負の制御因子の合成を検討し、炎症性サイトカイン類により、アクチビンの負の制御因子に比べ、アクチビンの合成が優位となることと、この現象に関与するシグナル伝達系の一部を明らかにした。これらの結果より、羊膜細胞のおけるアクチビン合成の抑制や、負の制御因子の補充がFIRSの治療法開発に有用である可能性が考えられた。
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